昨日の今日

KINOUNOKYOU

お笑いとテレビと映画と本と音楽とサッカーと…

アパートの階段を登る音


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そこらへんに落っこちてあったスケボーをゲットする。スケボーはみんなをローテーションで座らせて、長い坂をビュンビュン加速しながら、何度もすごいスピードで下っていく。風を切って世界を通り抜ける、それはとても楽しいことなのだ。スピードによって楽しい感覚を覚えるのは人間の本能であるらしい。そうして、上って下っての往復を繰り返していたら、ふと遠くで怖そうなひとたちが草むらをかき分けて何かを探しているのを見つける(それは小学生から中学生への眼差しであって、今となってみては、怖くも何ともないのだけれども)。私たちはスケボーをそこらへんに放って、サッカーを始める。

最近、急にエル・ファニングのことを好きになってきていて、これまでなんとなく再生していなかった『20センチュリー・ウーマン』を観た。とても良い映画だった。どこへでもいけるがどこまでもいけない若者の象徴としてスケボーがここでも用いられている。そして、母親が運転する車につかまって並走するシーンはあまりにも感動的であり、最後には空を飛んでしまうというのはとても眩しい。ブルーのパンツにサイズの合ったシャツがよく似合うエル・ファニングめちゃくちゃ素敵でたまらなく魅了された。東京オリンピックでも注目されたスケボーですが、これに乗れないなんて人間として生きていることの意味がないなどと思えてくる。スケボーに乗る人って最初はどういう出会い方なのですかね。たまたま家にあったとかなのかなあ。Netflix『最高に素晴らしいこと』も観たのだけど、それも素晴らしい映画でした。良い映画、良い映画。日本のエル・ファニング松村沙友理ですかね。

日曜日。Youtubeで配信されていたPitchfork Music Festival 2021にて、朝にFaye Webster、夜にTomberlinを観た。どちらも300人ほどしか観ていなかった。もしも彼女たちが日本に来てくれることになったらキャパはどれくらいのところになるのだろうか。コロナ禍が終わったあとに、ちょうどいいライブハウスは残っているのでしょうか。最近の私の最も強い願いはFaye Webster見たい!ということなのです。来日してほしいなー。


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この動画ではFaye Websterがヨーヨーしているところを見れるのでおすすめ!帽子、靴下、Tシャツなど服もかわいい。

最近、5時間睡眠になってしまっているのでやめなければ。体調が悪くなったりなどはないのだけれども、ちゃんと身体へのダメージは溜まっている気がするのではやく眠るべきだなあ、と思う。

夜。しかし、またもや眠れなかったので、ウォン・カーウァイ花様年華』をぼんやりしながら観た。『恋する惑星』が1番の代表作みたいになっているけれども、『花様年華』のほうが断然好きだし、美しいとも思う。頻繁に出張し家を空ける夫を持つ女と、同様な境遇にいる男が同日にマンションの隣室に引っ越してくる。二人はやがて不倫の関係性に近づいていく。しかし、結局最後は交わることなく元の世界に帰っていくのだけど、そこにいたって幸福でいるのかなどは詳しくは描かれない。ミケランジェロ・アントニオーニ『夜』であれば、芸術と資本主義などを用いながらインテリめいたストーリーを盛り込んでいきながら、やっぱりあなたが好きなのです!という無邪気なラストになるのである。しかし、それはまあ綺麗に描きすぎているのだよなあとも思う。不倫を扱ったものとしてはやはり島尾敏雄『死の棘』が有名であるわけだけれども、これも久しぶりに読むと面白い。

何度読んでも爆笑してしまうのだけれども、文字で書かれていることによる切実さもあるのだが、しかし、そこに書かれていることの過剰さのほうにこそ注目させられてしまうのがこの本の魅力である。結構長くなってしまうが、引用してみます。

「また、うそをつく。貯金を一万円もおろしたことがあったわね。あたし通帳を見たわよ。でもあたしはその中からびた一文だってもらったわけじゃないんだから。なにに使ったのよ」
「……」
「はっきり言ってごらんなさい。うそはいやよ。うそはつかないと誓ったでしょ。ほんとはね、あなたがそれを何に使ったかぐらいはちゃんと知っているんだから。あたしが、何でも知っていて、ふしぎでしょ。でもあなたの口からそれをきかなくちゃならないの」
「……」
「言ってごらんなさいよ」
「……」

「あなたがどこまでもかくす気なら、あたしが言ってあげてもいいのよ。あなたはそれを女の入院費用のために持っていったのでしょ。そして女を渋谷の産婦人科にいれてやった。そうでしょう?」
「……」
「ちがうの? そうなの? どっちなのよ」
「そうです」
「ばかやろう」
いきなり妻の平手打ちを受けた。どんなこともその通り受けなければならないと思っていたが、私のてのひらは突嗟に妻の頬を打ち返していた。
「おや、あたしをぶったね。よくもあたしをぶった。トシオがあたしをぶった。トシオがあたしをぶった」
妻は目をつりあげ、つかみかかってきた。私は思わずたち上り、玄関に逃げた。台所と二畳の部屋に向き合った隣家の居間の電燈がつけられたままだ。誰か起きて聴いているな。いつ止むかわからない隣の夫婦のとげとげしたいさかいのことばに、眠りをじゃまされていらだっているのかもしれない。でも今この行いをやめるわけに行かない。逃げるつもりはないのに、玄関に出たのだから、とにかく国電の鉄路の方に走ってみようと、すさまじさをからだにみなぎらせ、たたきにはだしでおりてはきものをさがしていると、つき放すように夫の行為を見ていた妻が、
「伸一、起きなさい。マヤも起きなさい。おまえたちのおとうさんが逃げて行くよ。早く起きなさ
い」
と大声で叫んで、私にしがみついてきた。
「ちきしょう。逃がすもんか。逃げるならあたしの方が先に逃げる」

島尾敏雄『死の棘』137~138頁

ビンタされて反射的にやり返す。夫が逃げようとするとそれを追い越して妻が逃げようとする。まったくもって普通ではないのだ。この普通でない状態を、躍動感ある、動的な文体で描いているのが最高なのです。努めて冷静に冷酷である様が描かれることが多いように思うのだけれど、普通ではないのだから、こんなふうに描くべきだ。この異常さこそが普通。f:id:You1999:20210917171442j:imageテレ東『うきわ ―友達以上、不倫未満―』を観てますでしょうか。これも不倫ものですが、とにかくキャストが最高なのです。門脇麦森山直太朗蓮佛美沙子西田尚美などなど良すぎる布陣だ。日々の生活で溺れそうになっている、そんなときに“うきわ”が投げられる。それにつかまって一息つくことで、救われる。“うきわ”につかまって、ぷかぷかと浮かぶそんな状態こそが“浮気”となって、もう離さずにはいられなくなってしまう。第6話では、「こんなときにはビンタじゃないですか?」という台詞も飛び出して、おっ、これは『死の棘』的なビンタの応酬?とも思いましたが、まさしく“普通”を装い、ビンタは回避されてしまった。本作は全体を通してまだまだ普通であるという状態を保っているのだけれども、終盤にかけてどれだけ異常な領域に踏み込むのかなどにも注目であります。エンディングで流れる三浦透子『通過点』は今年下半期の良い歌。


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月曜日。新潮10月号で、乗代雄介『皆のあらばしり』と舞城王太郎So You Think This Is It?』読んだ。乗代雄介『皆のあらばしり』はこれまた盛りだくさんの参照であって、読み進めるには少し手間取ってしまう部分もあるのですが、出てくる登場人物の関係性に、“出会い”に目頭が熱くなってくるし、なんだか嬉しくもなってしまう。NHK大河ドラマ『晴天を衝け』でも描かれた天狗党への言及もあるし、物語が誰かとの出会いから始まるのはたまらなく良いし、瑞々しいボーイミーツガールもあるのだ。誰かとの出会いからまた新たな誰かとの出会いへと繋がっていく、というのはめちゃいい。

舞城王太郎So You Think This Is It?』は美しきノワール小説であり、思慮深い会話の面白さがある。そして、その果てに紡がれていくものが舞城王太郎的なモチーフへと収斂していくのだ。ラストの叫びは、およそ17年前の『好き好き大好き超愛している。』から変化せず貫かれているものであって良い。私は熱心な舞城王太郎フォロワーではないので、すべて読んでいるわけではないのだけれども、『好き好き大好き超愛している。』はなかなか好きなのでして、久しぶりに家の本棚から引っ張り出して読んでみたりした。

村上龍『共生虫』を想起してしまうような冒頭の短編も好きだけど、私は『ニオモ』が好きなのです。アダムである石原とイヴであるニオモはろっ骨融合をし、神と戦う。というこれだけでは何が何だかわからないだろうけれども、TRIGGER・A-1 Pictures共同制作『ダーリン・イン・ザ・フランキス』を想像してみればわかりやすくなると思う。『ダリフラ』は絶対に本作を参照しているし、アニメと合わせて読むべきものです。舞城王太郎の本には、ディストピア的な会話のなかで醸成されていく、祈り、赦し、つまり愛がある。そして、それは何かが壊れゆくほどに、たしかな輝きを見せるのである。

愛は祈りだ。 僕は祈る。 僕の好きな人たちに皆そろって幸せになってほしい。
それぞれの願いを叶えてほしい。 温かい場所で、あるいは涼しい場所で、とにかく心地よい場所で、それぞれの好きな人たちに囲まれて楽しく暮らしてほしい。 最大の幸福が空から皆に降り注ぐといい。 僕は世界中の全ての人たちが好きだ。 名前を知ってる人、知らない人、これから知ることになる人、これからも知らずに終わる人、そういう人たちを皆愛している。

舞城王太郎『好き好き大好き超愛している。』

 

テレビをつけたら『スカッとジャパン』がやっていて、なんとなく観ていたら、バスのなかでギャーギャー騒ぐお喋りおばさんに迷惑している女性が神様に祈る。「お願いします、あの迷惑な人たちに罰が下りますように…」というものであった。さっき読んだ本とはまったく別なものだなあ、と思った。

熊倉献『ブランクスペース』2巻をゲットした。2人の間に伸びる空白の手が印象的な表紙でもって、胸が高鳴る。カッコいい表紙だ。

2巻は前作『春と盆暗』のようなオムニバス形式を引き継ぐかのように、登場人物とそれにまつわるストーリーも増えていく。想像力というものは見えない亀裂でさえも見ることができてしまうのだけれども、そうであるからまだ繋ぎ止めることもできる。

『乃木坂に、越されました』を観た。AKBメンバーが「ギャラなしで良いから出させてください!」とテレ東Pに出演交渉する回でして、『バスvs鉄道 乗り継ぎ対決旅』の木村Pも出演していたのだけれど、「おじさん大丈夫?」「太川さん62歳とかだよ?」などなど太川さんの扱い酷いなー、という発言が多くて笑いました。しかし、なかなかおじさん番組なのでしんどい。毎週観るものではない。『水曜日のダウンタウン』も観た。野田クリスタルのやさしい涙が素敵だった。『あちこちオードリー』にはナインティナイン矢部が。やっぱり、やべっちはカッコいいのだなあと思った。おじさんになって、髪の毛を良き長さまで伸ばせる人間かどうかといったところが鍵になりそうですね。

深夜1時くらいに久しぶりの小山田壮平ツイキャスライブがあった。この世に小山田壮平がいれば、それだけでオールオッケーと思えてしまう。ほんとに。フィッシュマンズ『いかれたBABY』を歌ってくれた。「人はいつでも見えない力が必要だったりしてるから」と歌うべき人が歌っていた。夏の終わりに『すごい速さ』もやってくれて、最後には『投げKISSをあげるよ』だった。「大丈夫ですよ、心配ないですよ」だ。小山田壮平は赦しを歌う人である。そーへーって名前すごく良い。

木曜日。『THE夜会』長澤まさみ大根仁から教えてもらって大好きになったというニューヨークがサプライズ登場。売れるとはこういうことかということを、この一年ほどテレビで目撃してきたのだけれども、まだまだこういったことが起こるのだなあ。『キングオブコント』『M-1』で優勝なんかしてしまったらどうなるんだろう。

金曜日。ニューヨーク単独があった。が、しかし、18:30にちょうど見れなかったので、アーカイブにする。『GirlsPlanet999』を観る。今週もヨンウンはめちゃスターでした。ヨンウンは横顔のひとであるから正面から映し出すよりも、横からそっと盗み見るようにカメラに収めると良いと思った。


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魅力にあふれている人はたくさんいるけれども、スター性でいったらヨンウンはダントツであると思う。シャオティンとゆりながヨンウンを見守るのも良かった(今週は2人のリアクションを観るためのものでもあった)。ワンヤーラと意思の疎通が合わなくて練習の進行がうまくいかないシーンがあったけれども、とりあえず私は仕上げておこうというの流石でしたね。ワンヤーラはいつかに日本に来ていたらしい(日本に来てBiSHを試聴する画像をオカモトレイジTwitterにあげていた)。『GirlsPlanet999』を観ているとみんなエリートであるなぁと思う。『PRODUCE48』などとは違って、苦戦している状況があまり多く映し出されていないように思う(最初のステージからみんな上手だったし、できる人が集められている感ある)。また、観客へ向けてのステージではないために、映像的なステージになっているので、スクリーンを通して彼女らを目撃する私たちには良いなあと思う。カメラの位置を良きところに置けるのだ。


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このような演出もできる!良いですね!


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ルイチーのスピンからのあの可憐な表情と指先まで行き届いた切実さ!2人が届くことのない手を限界まで伸ばすラストからフェードしてイェソの表情が映し出されるのはもうほんとに涙でありました。来週にジェスチャーゲームとか運動会みたいなの配信されるのだろうか。楽しみ。

土曜日。『博士ちゃん』2時間SPを観る。古代エジプト文明が大好きな田中環子(11歳)ちゃんが、2021年4月、3400年前の失われた「黄金都市」を発掘したザヒ・ハワス博士と初対面するという面白い回でした。なんでそんなことできるの!


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Netflix『時の面影』では、船を発見しただけでも大きな発見だったのに、都市を丸ごと発見するなんてヤバすぎですね。ツタンカーメンの墓以来の重要な発見らしい。将来、空からパシャっと写真を撮ったら、あっ、ここに埋まってる都市あるね、などと簡単にわかるようになるのかなあ。それだとロマンは減りますね。

朝早く起きた、ジェームズ・ガン『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』を観た。なかなかに楽しい映画だった。今年のベスト10後半にひっそりと入れる人多いのでは、と思う。電車で『根本宗子と長井短オールナイトニッポン0(ZERO)』をタイムフリー。前半1時間を使ってのラジオドラマ的なやりたい放題。とても楽しかった。『MiJiC@のMiJiメロディ』はなんだかめちゃ泣けてしまうのです。

宇多田ヒカルより稼ぐことは無理だから〜

宇多田ヒカルには〜まだまだ稼いで

ほ〜しい〜

になんかグッときました。長井短のフェイバリット作家は舞城王太郎らしいですよ。やってますね。17LIVEで『SUPERSONIC 2021』NiziUステージが配信されるということを知り、手を洗って待機。17LIVEは宮脇咲良のゲーム配信を観るために先日インストールしていたのだ。外のステージと風であんまり音は良くなかったけども、それでもミイヒとマコのパフォーマンス安定感はすごいのだなあということがよくわかりました。これからたくさんライブできると良いですね。しかし、NiziUって何故にこんなにもYoutubeなどでコンテンツが配信されないのだろうと不思議なのですが、何か狙いがあるのですかね。知ってる方いたら教えてください。VLIVEもやれないのでしょうか。その存在を忘れてしまうわけではないのだけれども、やはりどんどんテンションは下がっていってしまう。IZ*ONEは動画の量めちゃ多いし、TWICEも毎週『TIME TO TWICE』配信されているし。

櫻坂46『Dead end』観た。めちゃ良いですね。カットが多くて寄ったり引いたり楽しいものではあるけれど、少し酔うし顔があんまし見えない。サムネイルはほんとに良すぎる。平手友梨奈である。


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