昨日の今日

KINOUNOKYOU

お笑いとテレビと映画と本と音楽とサッカーと…

2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

みんなで集まってテレビを見てた

スティーヴン・スピルバーグ『フェイブルマンズ』劇場公開終了からもう1ヶ月ほど経っているけれど、未だに興奮している。これを観てしまったから新作映画を観る気が失せていると言ってもいい。とにかくもう一度劇場で『フェイブルマンズ』を観たい。お気に入…

Homecomings『New Neighbors』

私たちは何か大切なことを忘れてしまっている。中空に瞬く誰かの希望を、夜の底に静かに沈殿していく誰かの悲しみを、街の喧騒で掻き消される誰かの怒りを。しかし、それはまったく忘却してしまっているのでもなくって、誰もが本当のところ潜在的に気がつい…

海になりたい。「2023.04」

4月のこととしては、やっぱりThe 1975である。ネイマールを見たときくらい感動したと言ったら変な感じだけれど、カッコいい存在というのはこういうものなのだなっていうのを実感する時間でありました。『Sincerity Is Scary』では、お客さんが帽子を投げて渡…

マッテオ・マラーニ『セリエA発アウシュヴィッツ行き』小川光生 訳

深く非現実的な静寂が、小さな広場を満たしていた。町は夜明けの薄明けの中にあった。ただ、太陽はまだ地上を温めていなかった。ヴァイス家の4人は、まだ眠っていた。早起きをする理由がなかったからである。子どもたちは、学校から締め出されていたし、両親…

ルカ・グァダニーノ『ボーンズ アンド オール』

「俺のことを食べて欲しい…」とリー(ティモシー・シャラメ )がマレン(テイラー・ラッセル)に死の間際で囁くとき、それが単なる人肉嗜食を越えた情愛のモチーフになっていることを感じ取るのが難しくないのは、死者を喰らうことによって生の回復を目指し…