昨日の今日

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お笑いとテレビと映画と本と音楽とサッカーと…

ヨルゴス・ランティモス『哀れなるものたち』

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人類は進歩できるのか

西洋哲学的価値観を内包するこの科白は、本作で何度も問いかけられる。そして、それを体現するかのように、ベラ・バクスターエマ・ストーン)は、問答を行う哲学者のように他者と出会う旅に出るのだった。異なる価値観に触れ、自らを変革していくことによって、魂の向上をめざす旅だ。

自死を選びその生命に終止符を打ったはずが、マッドサイエンティスト、ゴドウィン・バクスターウィレム・デフォー)によって胎児の脳を移植され、新たな人生が幕を開ける。生命を新たに始めるのであって、その旅路に現れるすべてのものがその目には新鮮に映る。人々が行き交う街並み、異国の風景、甘いお菓子、喉を焼くようなお酒、セックス、貧富の差…そして、旅の途中で出会った婦人から「思考することの楽しさ」を学び、人類は向上できるのか(善き生とは…?)という哲学的な価値観を抱くようになる。壮絶な貧富の格差や荒廃した島で命を落とす子どもたちを目の当たりにし嘆き悲しむだけど、それ以上何もできない無力感をも味わうのだった。旅を共にするダンカン(マーク・ラファロ)から収奪したお金を恵んであげるが、その行為によって世界が変わる(進歩する)ことはない。むしろ上から下への関係は、その構造を固定化しかねない問題をも孕んでいる。また、結局のところお金は貧しい人々のもとへと到達することはなく、市井の人々の凡庸な悪意に阻まれてしまうのだった。個人の行為は無意味ではないが、構造に対して何かしらの作用を及ぼさないといけない難しさがベラの善意の前に屹立するのである。

すべての財産を失ったベラとダンカンは、冬のマルセイユに降り立つ。ダンカンと別れたベラは、他者の恣意的な意志ではなく、自らの意志に基づき娼婦となる(あくまで状況的にそうなるのだけど)。自律の理念とつながるその意志によって、自由を獲得するのだ。そう、ここは革命を成し遂げたフランスの地であった。マッドサイエンティストによる軟禁から脱し、色男ダンカンの執着からも解放された。ベラはあらゆる男とセックスすることで新たな世界を発見できるし、ついでにカネも貰うことができる。さらには稼いだカネで勉学に励むことも可能になる。万事順調であった。そんななか、育ての親(産みの親?)であるマッドサイエンティストが危篤状態であるとの報せが届き、ベラは彼のもとへ帰還することを決める。そこにはかつて子ども時代に婚約したマックスもいるのだった。

旅から戻ってきたベラとマックスは婚約を確かめる。「娼婦であったけれど、気にしない?」とのベラからの問いかけに、マックスは「君の身体なんだから、君の自由にすべきだ」と言うのだった。身体の所有権は自らにある、と。ベラが娼婦になることを自らの意志で決定したのと同様に、その身体を扱うこともまた自らの意志に帰属するのだということである。徹底した自律の概念が本作を貫いていることがこれらのことからもよくわかる。

それでは、本作の冒頭に遡って思考してみよう。本作の冒頭とは、ベラの身体(母親?)が橋から飛び降りたシーンである。身体の所有権は自らにある。であるならば、自らの身体を自らの意志によって処分すること、つまり、自死を選ぶことは当然に認められるべきだろうか。ベラが軟禁状態や醜い束縛から脱したように、生命を断ち、苦しみから解放されることもまた当然に与えられた権利であろうか。しかし、私たちはそれに首肯することはできないだろう。なぜなら、物語の終盤を目撃すれば明らかなように、彼女はその構造に苦しめられていたのであって、幸福な環境下ではあれば死を選ぶことはなかったからである。ブレシントン将軍による抑圧的な構造的暴力によって、ベラの母親は死を選ばざるをえなくなった。

そこでベラはある案を思いつく。そう、人類を進歩させるのだ。しかし、ブレシントン将軍とヤギの脳を入れ替え、抑圧的な態度を取れないようにするラストシークエンスは、一面的には爽快でありながらも、本作が目指そうとしている射程には届いていないのではないかと思ってしまう。なぜなら、ブレシントン将軍の外部にもまた、暴力的な構造が存在しているからである。有害な男性性をもつキャラクターを担わされているけれど、彼は生まれながらにしてそのような抑圧性をもっていたのだろうか。社会や時代状況による構造的な要請が彼をそうたらしめたのではないか。本作において、その外部にある構造は描かれていないのである。その先にこそ、ベラが目の当たりにし、そして、進歩させたい世界の残酷さがあるはずだ。

また、ベラはブレシントン将軍をある意味でモノ化したともいえる。自分の思い通りに、自分の思い描く「進歩」のために。それは、娼館でベラが商品化されたこと、マッドサイエンティストがさまざまなキメラをつくりだしていたこと、ベラが去ったあと新たなフランケンシュタイン・フェリシテを誕生させたこと、ダンカンが自らの思い通りにしようとベラを箱の中に入れたことと延長線上にある。ヨルゴス・ランティモスの映画は、構造的な要因の複層性から逃れられないことを示唆するものが多い。例えば、過去作『ロブスター』は、人間をモノ化(管理)する物語であり、そして、それから逃れようと森へ逃げ込み個人としての自由を獲得するが、その森にも人間をモノ化するようなルール(構造)があることを突きつけるものであった。自律的な態度や個人の努力だけでは、構造の変革は成されない(知能と自律を獲得する物語であるだけに、劣っているものを軽んじるような眼差しを感じ取ってしまったのは私だけだろうか)。その虚しさを描くためのショットはなかったように思うし、結局のところ、その構造における権力の座につくほかないことをも示唆するようなヨルゴス・ランティモスのニヒルな笑みを否定しないことには、「人類が進歩できる」日は到来しないのではないかとさえ思ってしまうのだ。

『Homecomings New Neighbors FOUR Won’t You Be My Neighbor? January 29, 2024 at Shindaita FEVER』

f:id:nayo422:20240129223105j:image2月に開催される『Homecomings New Neighbors FOUR Won’t You Be My Neighbor? February.10, 2024 at Kyoto KBS Hall』にて、バンドからの卒業が決定している石田成美。彼女の最後の東京ワンマンとなった、同ツアーat Shindaita FEVERに参加した。新代田フィーバーでのワンマンは初めてのことだという。

「どこからやってきたかも忘れてさ」「優しいことは忘れないでいる」という円環を意識させた歌詞と天使の輪っかのイメージを描きながら、人間がその歪な世界で生きることの豊かさを謳う『Cakes』によって、この日のステージは幕を開けた。そして、続くのは『I want you back』。そのタイトルが示すものとは裏腹に、かつての思い出を振り返ることでさよならを告げられるようになっていくシーンは、まさに今のバンドを思い起こさせる。ケアという概念を意識したであろう『i care』の演奏が始まる。あなたのことを気にかけながらも、まずは自らの選択と身体的な感覚、生活のリズムを大切にする。その延長線上にあなたもいるのであって、私への矢印があなたへも向かうという間主観的な関係を描き出す。私に閉じるのではない、私の中にこそ、あなたはいる。あなたの中にこそ、私はいるのである。というメッセージは実に感動的であるし、Homecomingsがその歩みを止めない限り、石田成美はたしかにそこに居続けるのだという宣言にもなり得る。

It's a bit like luck

HURTS

ああ 僕らはたまたま美しい
ああ あなたはたまたま美しい

『US/アス』

ホムカミが歌うのは、偶然のかけがえないなさだ。人が生まれるのも、出会い別れるのも、特別何かを見つけられるのも、もしくは見つけられないのも、バンドを結成することも、すべては偶然だ。京都精華大学フォークソング部での新入生歓迎イベントをきっかけに結成されたバンドもまた、そのすべてが偶然によって導かれている。大学に進学する前には、Homecomingsを結成することなんて想像もしていないだろうし、あまつさえメンバーのことなんて知る由もない。そう、“たまたま”なのだ。今この瞬間、新代田フィーバーで音楽が鳴り響くのを聴けているのは、そんな偶然の美しさによって誕生している。

結婚を経てこれからの人生を考えるなかで、家族との未来や自分のからだのことを考えたときに、3人と同じペースで音楽活動を続けていくことが難しいという判断に至った

石田成美(Dr./Cho) 卒業のお知らせhttps://homecomings.jp/news/1766/

石田成美さんは、Homecomingsを卒業することになった理由をこう説明している。そして、福富優樹がさまざまな媒体でたびたび紹介している、スチュアート・ダイベック『シカゴ育ち』に収録されている「右翼手の死」には、こんな記述がある。

もうじき夏休みも終わりだった。大学とか、仕事とか、身を固めて家族をもつとか、ほかのことをする時間が迫っていた。三十五歳を過ぎると、人生の下り坂がどうこうという話がはじまる。四十代に入り、白髪も目につきはじめたフィル・ニークロが相変わらずのナックルでばったばった三振を取っているとか、ピート・ローズも四十二にしてなおヘッドスライディングで頑張っているとかいった話も出てくる。年齢のハンデなんか物ともしないじゃないか、と。けれどおそらく、事実下り坂は訪れるのだ。

スチュアート・ダイベック『シカゴ育ち』「右翼手の死」柴田元幸 訳 53-54頁

もちろん下り坂なんてことはないだろうし、年齢によるものでもないだろう。でも、時間を経て、これまでとは状況が変化したのだ。福富優樹も「仲が悪くなって卒業とかじゃない。2024年も成ちゃんが叩いていても不思議じゃないくらい。そんな感じ」だと話していた。石田成美は「もう感謝しかない。これからの3人の活動を応援してほしい」と語った。畳野からは、当然のように、Homecomingsの未来の予定が告げられる。

「4月に恵比寿LIQUIDROOMで私たちの企画で、リーガルリリーとやります」

先行チケットも会場で販売され、歩みを止めないことを力強く宣言するようであった。でも、ホームカミングとは「卒業生たちを年に一回、母校にお迎えして、ダンスや同窓会など各種イベントを楽しむ」ことであって、ふらっと戻ってきてもいいのだろうし、ホムカミの音楽がそこにある限り、ほとんどずっとそこにいるようなものなのだろう。バンドは形を変えて、続いていく。その時間が長くなるほど、かけがえのない時間の中で4人で鳴らした音楽はより美しさを増していくのだ。

By making it a song,
Can I keep the memory?
I just came to love it now.

『Songbirds』

The Japanese House 2024.01.18 at SHIBUYA CLUB QUATTRO

f:id:nayo422:20240122225442j:imageThe Japanese HouseをSHIBUYA CLUB QUATTROにて目撃。ライブハウスの扉が閉まらないほどに多くの人が駆けつけていた。クリエイティブマンが彼らの集客力を見くびっていたのではないかと思ってしまった。オープニングを飾るのは『Sad to Breathe』『Touching Yourself』『Something Has to Change』などといったThe Japanese Houseを代表する楽曲群。ちらちらと中空を点滅する雪のようにクラブハウスに降り注ぐ電子音が、静かにステージの始まりを告げる。彼らが鳴らす音楽が表現するテーマは、そのプロジェクト名が指し示すように、空間(House)であるのだと思う。

私的空間に誰かが入ってくること。もしくは、自分が誰かの空間に入っていくこと。そして、その空間から自ら出ていくこと。もしくは、誰かが去ってしまうこと。空間に誰かが入ってきて、去っていく。しかし、それは元に戻るというわけではない。喜びの、憎しみの、悲しみの、悦びの記憶が確かにその空間に残り、かつての孤独をそのままに享受できるようにはならないのだ。人間は生まれ、やがて死ぬ。この世界に入り、いつかは退場していく運命にある。世界はその度に変化を起こしている。『In the End It Always Does』(最後はいつだってそうなる)。それが最新アルバムのタイトルだった。生命の短さと、だからこその尊さ。

The Japanese House 2024.01.18 at SHIBUYA CLUB QUATTROのポスターは、見ようによっては二重螺旋構造のように見えなくもない気がするのだけど、ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックによって発見されたそれは、この世に存在する生物すべてが同様の構造であることを世間に知らしめたのだった。しかしながら、世界は私たちと他者との間に明確に境界線を引くことによって分断を引き起こしている。私たちはあなたたちと異なるのだ、と。あなたたちは私たちと異なるのだ、と。

アンバー・ベインは、多くのインタビューでクィアな「居場所」を描くことを心がけていると語っているし*1、『In the End It Always Does』アルバムジャケットの円環は何かを承認するようなイメージをも想起できる。

クィアなスペースにいると、存在しているだけで「居場所」が生まれるんですよね」*2

わたしはここにいていいのだ、と。あなたはここにいていいのだ、と。しかし、その相互の承認の関係によって創出する「居場所」は、その空間が誕生したと同時に壁をも生んでしまう。円環を描く曲線は、承認すると同時にそこに境界線をも描いてゆくのだ。アンバー・ベインの歌声からはそのような困難をも理解していることを感じ取れる。例えば、『Boyhood』。自己の葛藤、そしてそれを克服し得る承認とその困難を描くこの楽曲は、後半にかけてかすかに希望を灯す。異なる空間にある円環がわずかに重なり、私たちは異なる存在でありながらも、分かり合える瞬間があるのだ、と。アンコールに応えて、再びステージに戻ってきたアンバーは、暗闇の中に真っ直ぐ降り注ぐ光に包まれ、牧歌的な風景のなかで心癒される場所を創出していく。

Sitting in the back seat, driving with my sunshine baby
Well, I've gone a little crazy
Surely someone's gonna save me now

『Sunshine Baby』

そういえば、濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』もまた、自らの居場所を獲得しようとするもの物語であったことを思い出す*3。少し違うのは、濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』が運転席でハンドルを握ろうとしたのに対して、The Japanese House『Sunshine Baby』では、後部座席に座り、誰かの救いに身を委ねようとするところだろうか。目的地があるのかどうかはわからないけれど、車は進んでいく。家福(西島秀俊)の言葉が聞こえる。

生き残ったものは死んだもののことを考え続ける。どんな形であれ。それがずっと続く。僕や君はそうやって生きてかなくちゃいけない。

最新アルバム『In the End It Always Does』もそうだけれど、The Japanese Houseの楽曲には、悲しみや傷跡を残しながらもそれでも進んでいくことの重要性を歌うものが多くある。承認を示す円環構造が車輪となって、ぐるぐると回転しながら、頭を悩ませながら、時間を進めていく。

To be putting off the end
cause in the end, it always does

『Sunshine Baby』

という歌詞は、映画『君の名前で僕を呼んで』からの引用であるらしい。「父親が主人公である息子エリオに、悲しみがあっても、それを消し去ってはいけない、そうしないと40歳になって何も感じなくなる、というような内容を語りかけているシーンがあって。引用は、完全にその台詞からの使いまわしのようなものだけど、要はそういうことを感じているときは、良い感情だけでなく、悪い感情も感じることが大切だということなんだと思う」*4とインタビューで語っている。暖かな光に包まれ、車は走り続ける。私たちは理想にいつか辿り着く。最後はいつもそうなるのだ、と今なら思うことができる。

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*1:The Japanese Houseが語る、クィアとして音楽業界に思うこと、The 1975との信頼関係https://rollingstonejapan.com/articles/detail/39676/2/1/1

*2:The Japanese Houseが語る、クィアとして音楽業界に思うことhttps://rollingstonejapan.com/articles/detail/39676#google_vignette

*3:濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』 - 昨日の今日

*4:ザ・ジャパニーズ・ハウスにインタビュー「いつだって最後には必ず終わりがやってくる」https://numero.jp/interview391/

ホイッスルが鳴ったら。「2023.12」

f:id:nayo422:20240211204502j:imageこれから終わるはずなのに、1月になった瞬間にもう始まっていると考えるとうんざりしている。今年は近年のなかでも最も早く時間が過ぎ去ってしまった1年間だった。「20歳を過ぎたあたりから、死を感じることができるようになったよね。早すぎて、怖い。部活が始まる前のスパイクの紐を結びながら、練習だり〜と話している時間が永遠に続けば僕はそれでいいんだ。なのに…」みたいな会話を永遠にしている31日だった。そんな話をしながら、友だちと初詣のおみくじを引きに行った。そう、2023年は人間は死ぬということを痛感させられた1年であったような気がする。はじめにそれを感じたのは、坂本龍一の死だった。新潮で連載されていた『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』を読んでいたのもあるけれど、この連載はずっと続くのだと思っていた。余命を告げられるという連載初回だったにもかかわらず、終わると思っていなかったのだ。でも、連載は終わった。人間は死ぬのか、と当たり前のことを思い出すことになった。2023年が終わり、2024年になる。あっという間に、2050年とかになってしまうのだろうか。ぼくはあと何回、満月を見るだろう。

12月の個人的重大トピックとしては、ニッポン放送Podcast宮司愛海のすみません、今まで黙ってたんですけど…』だ。

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11月から配信されていたようだけれど、私は12月になるまで気がつかなかった。めちゃ良いPodcastなのだ。自意識が溢れているのだけれど、鬱屈としたり、変な憎しみみたいなもの(宇垣美里的な)があったりしないので、爽やかな自意識として収まっているのがいい。そして、やっぱりお喋りクソ野郎なのだ。例えば、#5の7:45のところ。

「フジテレビの採用試験で、昨日何食べた?って質問があって。私はそのとき牛丼って言ったんですよ。牛丼屋さん1人で行きづらいってひと多いじゃないですか。ひとりで食べるなら持ち帰るとか。大学時代はそんなにお金もなかったし、そのときは牛丼!って答えたんですよ。どこの牛丼屋さん?って更問いみたいな追加の質問がきて。松屋です!って。なんでかと言うと、無料で味噌汁が付くから。だから学生の私は松屋派だったんです。今はどこも好きですよ。というような感じで答えたくらい、ひとりが苦にならない」

というような感じでつらつら話すのだけど、「今はどこも好きですよ」と、間を埋めるようにして挿入してくるここがラジオスターだな!と思いました。喋りながら、すかさずフォローを入れてくる感じが、オールナイトニッポン時代の朝井リョウみたいなのだ。あとは#6の31:55付近。

「私はもう大人数の飲み会で、自分いなくていいなって思ったら、帰っちゃうもん」

とかもよかった。社会に馴染む王道の人かと思っていたのだけど、会社でも周囲の人と距離を取っている感じが意外だった。お気に入りPodcastになりそうです。

そう、あとはやっぱり『M-1』決勝ですね。昨年の敗者復活戦における漫才で、ほとんど実質的な『M-1』優勝を成し遂げていたわけなので、令和ロマンの優勝それ自体に特に何かを思うことはないのだけど、くるまのメガネやスーツの変更が優勝の決め手なのでは?と思ったりする。“見た目”というのは、今日において指摘するのはあんまり好ましくないかもしれないけれど、私はルックというものの重要性はなかなか捨象できないし、できる日は来ないとも思う。たとえば、浜辺美波。2023年の『シン・仮面ライダー』と『ゴジラ-1.0』は、前者は擁護の余地がないとして、後者もよもや駄作になりかねない作品だと思うのだけど、どちらも浜辺美波のいくつかのショットによってオールオッケーになってしまうほどの影響を与えていたように思う。そう、映画は総合的なものではなく、たったひとつの煌めきがあればいいのだ。浜辺美波の映画俳優としての凄まじさ的なものを感じた1年でもありました。

映画のこと。ランキングとしては別でエントリーをつくったのでそちらを見てほしい。スピールバーグ、スコセッシ、宮崎駿が表彰台というめちゃくちゃ馬鹿みたいなランキングになってしまったけど、おもしろいのだからしょうがない。実質1位は、マット・ジョンソン『ブラックベリー』かもしれない。U-NEXTにて滑り込み鑑賞したのだけど、例のシーンでThe Strokes『Someday』が鳴った瞬間に、うわー良い映画だ…!となりました。また、キャストのルックがいい。Netflix的な抜群のルックであって、良いツボをおさえている。The Strokesもまた幼馴染によって結成されたバンドであって、『ブラックベリー』のマイクとダグの関係と同じだし、Netflix的な友情の物語でもある。

The Strokes - Someday (Official HD Video) - YouTube

The StrokesNetflixリミテッドシリーズとかやったらいいと思うのだけど。

音楽のこと。クリスマス恒例の羊文学『まほうがつかえる』に行った。

羊文学『まほうがつかえる2023』at LINE CUBE SHIBUYA - 昨日の今日kinounokyou.hatenablog.com

私がここで思い起こしたミサイルは、まさしく今起こっている争いのことに関係するものだ。最初は、ネイションとエスニシティにおけるエスニシティの部分、民族的なテーマを調べていたのだけれど、国家という暴力装置についても考えなければならないなあと思い始め、前者について思考するための本を読んだ。思弁的に語られるなかで、身体にテクストを馴染ませていく。

国家の暴力が国民共同体によって規範化されることは、その暴力が集団的な独善性とファナティシズムにおちいることとつねに隣合わせである。国民共同体の内部では、たしかに国家の暴力は「穏やか」で「道徳的な」ものとなっていく。しかし、その反面、共同体の規範の外にいるものに対しては容赦ないものとなり、それがもたらす惨禍も甚大なものとなる。p203-204

萱野 稔人『国家とは何か』

軍事国家であるイスラエルはその暴力性が顕著である。そして、それはそのほかの国家にも隠されている、もしくは国民の無関心によって駆動されている。東浩紀が平和を享受するということは、それだけで恐ろしく暴力的な行為だと話していたことを思い出す。ダニエル・ソカッチ『イスラエル 人類史上最もやっかいな問題』も読んで、誰も受け入れてくれなかったから自分たちで国家を作るしかないというシオニズムの考え方も腑に落ちる部分はあった。しかし、現状のはあまりに一方的な暴力である。最悪だ。暴力がなくなってほしい。あまりに酷い暴力が続いている。

クリスマスには小山田壮平ツイキャスが久しぶりに開催された。『クリスマスひとり忘年会配信(ツイキャス)』だ。「時間」をテーマに、悲しい時は何度も訪れるけれど、幸福な時も同じようにやってくることを歌ってくれた。何度も過ちを繰り返しているようで苦しいけど、バトンを受け渡しながら困難を乗り越えていけるのだとそう感じることができる配信だった。『投げKISSをあげるよ』の中国語verや『Happy Xmas(War Is Over)』、小山田壮平の声は祈りのようだといつも思う。そして、そんな神聖化は良くないとも思う。

君島大空『no public sounds』リリースツアーにも行った。君島大空の単独公演に来たのは初だったし、もちろん合奏形態も初だった。f:id:nayo422:20240107180941j:imageめちゃ意外だったのは、その客層の幅広さ。なかでも、ご婦人的なひとたちが多かったような印象だった。公演中も、ふぅ〜!というような黄色い声援も結構あって、君島大空ってこんなにアイドル的な存在なのか〜と思いました。また、人生初めてだと言っていたダブルアンコールにも立ち会えて嬉しかった。

サッカーのこと。2023シーズンをもってケヴィンマスカット監督が退任すると発表された。新監督はハリー・キューウェルだという。ポステコグルーから続くオーストラリア路線だ。噂によると「強度」を何より重要視するらしく、アタッキングフットボールを志すマリノスにとっては最適と言えそうだ。そのコンセプトのために、どのような補強が敢行されるのか注目したいところだけど、マリノスにとっては怪我人が戻ってくるのが最大の補強となるだろうからなあ。下手に補強するよりは、現戦力やレンタル修行している若手選手を戻して鍛え上げていく方が良さそうだ。キューウェルさん、楽しみにしてます!

そういう意味では、ユヴェントスは若手主体の良いチームになりつつある。ミレッティ、ガッティ、カンビアーゾ、ユルディズ、イリング…そして、本当ならファジョーリもいたのだ。ユーヴェの未来は明るいぞ…!と思える布陣なのです。みんなこのまま5年後もユヴェントスに残っていてね…とそれだけが心配なのですが。そのためには、ユヴェントスとしてのブランドをいかに誇示していくのかということも重要であるし、レジェンドを招聘するタイミングも見極めないといけない。デル・ピエロとかって、ユルディズたちの年代ではどのくらい同時代的なのだろう。難しいところだ。f:id:nayo422:20240207005920j:image日本のレジェンドの引退試合をテレビで観た。俊輔は監督になりたいと公言しているし、5年以内には監督のキャリアをスタートさせるのだと思う。もしかしたら、ピルロのように、いきなりJ1のトップチームを土壇場で任されてしまうようなこともあるのかもしれないのだけど、そうなったらなかなか難しいな、と。J3とかでやるよりは、マリノスユースの監督から始めるとかもありな気がするけれど。なんとか上手いこといってほしいなと祈っている。

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MY FAVORITE MOMENTS 2023

1.ニューヨーク出演番組

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ニューヨーク×クリープハイプ 『ニューヨークリープハイプ』 - 昨日の今日

【年末】ニューヨークの2023年を振り返る。テレビでもYouTubeでもプライベートでも色々ありました! ※M1より前に撮影したものです - YouTube

 

2.NHK 大河ドラマ『どうする家康』

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3.ランニング

Suguru Osako Into The Dark - YouTube

 

4.小出裕介×南波一海『こんプロラジオ』

小出祐介×南波一海 Voicy『こんプロラジオ』配信開始 - 昨日の今日kinounokyou.hatenablog.com

 

5.アニメ『進撃の巨人』完結

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6.THE 1975『At Their Very Best Japan 2023』atぴあアリーナMM

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7.スティーヴン・スピルバーグ『フェイブルマンズ』

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8.LE SSERAFIM『Perfect Night』

LE SSERAFIM (르세라핌) 'Perfect Night' OFFICIAL M/V with OVERWATCH 2 - YouTube

 

9.羊文学『12 hugs (like butterflies)』

 

10.JUNK20周年イベント『おぎやはぎのありがとうびいき(仮)』

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11.Homecomings『New Neighbors』

New Neighbors

New Neighbors

  • IRORI Records
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12.サリー・ルーニー『ノーマル・ピープル』

サリー・ルーニー『ノーマル・ピープル』山崎まどか 訳 - 昨日の今日kinounokyou.hatenablog.com

 

13.サッカー日本代表W杯以来のドイツ代表撃破

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14.宮崎駿君たちはどう生きるか

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15.チャンピオンズリーグ、イタリア勢、躍進

イタリア勢の躍進を見よ!CL準々決勝 ミランvsナポリをレビュー - YouTube

 

16.N93『パンプキンポテトフライの剣』『カラタチの最果てのセンセイ!』

N93 パンプキンポテトフライの剣 | Podcast on Spotifyopen.spotify.com

N93 カラタチの最果てのセンセイ! | Podcast on Spotifyopen.spotify.com

 

17.水曜日のダウンタウン『名探偵 津田』

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18.くるり『感覚は道標』

 

19.若林正恭×山里亮太『だが情熱はある』

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20.IVE『아이브 'Either Way』

IVE 아이브 'Either Way’ MV - YouTube

 

21.ウェス・アンダーソン『アステロイド・シティ』

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22.三笘薫、躍動

三笘薫の美しいドリブルに寄せて - 昨日の今日kinounokyou.hatenablog.com


23.Dominic Fike『Sunburn』

 

24.マット・ジョンソン『ブラックベリー
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25.『Jリーグワールドチャレンジ2023』横浜F・マリノスvsマンチェスター・シティ

『Jリーグワールドチャレンジ2023』横浜F・マリノスvsマンチェスター・シティ - 昨日の今日kinounokyou.hatenablog.com

 

26.girlhouse『the fourth ep』

the fourth ep [Explicit]

the fourth ep [Explicit]

  • Secret Road Records
Amazon

 

27.FM802『MUSIC FREAKS』DJ:塩塚モエカ(羊文学)

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28.ルカ・グァダニーノ『ボーンズ アンド オール』

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27.NHKファミリーヒストリー 草刈正雄~初めて知る米兵の父 97歳伯母が語る真実とは~』

www.nhk.jp

 

28.ゴトウユキコ短編集『天国』

 

29.サッカーキング『CALCiO 2020』番外編 俺はフィレンツェに行くんだ〜人生トーク

サッカーキング『CALCiO 2020』番外編 俺はフィレンツェに行くんだ〜人生トーク〜 - 昨日の今日kinounokyou.hatenablog.com

 

30.The Japanese House『In The End It Always Does』

In the End It Always Does

 

31.『いろんな私が本当の私』

 

32.木村元彦コソボ 苦闘する親米国家 ユーゴサッカー最後の代表チームと臓器密売の現場を追う』

 

34.MBS『あれみた?』ヘッドライト町田「25年売れていない芸人に密着したら想像を絶する一日だった!」 

【ゴミ屋敷】25年売れていない芸人に密着したら想像を絶する一日だった!【前編】 - YouTube

 

35.Olivia Rodrigo『GUTS』

 

36.ドラマ『パリピ孔明

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37.アニメ『魔法使いの嫁』第2シーズン

【10月5日(木)放送開始】「魔法使いの嫁 SEASON2」第2クールノンクレジットOP映像/「眠らされたリネージュ」JUNNA - YouTube

ヤマザキコレ×WIT STUDIO『魔法使いの嫁』1期〜2期(1クール) - 昨日の今日

 

38.ノムラララ『夏の魔物』完結

 

39.Alvvays『ASIA&OCEANIA 2023 TOUR』

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40.『愛のハイエナ』山本裕典、ホストになる

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41.SHIBUYA CLUB QUATTRO 35TH ANNIV. “NEW VIEW”『RHYMESTER × ODD Foot Works』

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42.The Last Dinner Party『Nothing Matters』

The Last Dinner Party - Nothing Matters - YouTube

 

43.東浩紀『訂正可能性の哲学』&『訂正する力』

 

44.マーティン・スコセッシ『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』

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45.アニメ『呪術廻戦』

TVアニメ『呪術廻戦』第2期「渋谷事変」ノンクレジットOPムービー/OPテーマ:King Gnu「SPECIALZ」|毎週木曜夜11時56分~MBS/TBS系列全国28局にて放送中!! - YouTube

 

46.エイプリル・ヘニング/ポール・ディメオ『ドーピングの歴史』

「ドーピング」を考える---ポール・ポグバの活動禁止に寄せて - 昨日の今日

 

47.バカリズム『ブラッシュアップライフ』

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48.星野源『光の跡/生命体』

 

49.ペタグーグミ
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50.『M-1グランプリ2023』令和ロマン優勝

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