昨日の今日

KINOUNOKYOU

お笑いとテレビと映画と本と音楽とサッカーと…

藤原さくら『SUPERMARKET』

f:id:You1999:20201016002850j:image藤原さくらのニューアルバムがリリースされた!と喚起していたら、その彼女は『相席食堂』に逆オファーして*1動物たちと戯れていた。大きなギターを背負ってヤギやウシと触れ合うというなんともSuper Goodな販促活動!いや、販促活動なんかではないのだ。実際、番組ラストの歌唱シーンでは、アルバムの中からは選ばずに、この旅のなかで作られた『牛はかわいいのに』を歌い上げているのだから。

ノブ「牛の歌はええねん、あなたの本意気の歌が聴きたいのよ、今度出すやつ!!」

ただただ楽しくあろうとする藤原さくらに励まされつづける。それでも「牛はかわいいのに、どうして食べるんだろう」という向き合わなければいけない、どうしても避けることができないものを眼差すことにも意識的だ。

 

たくさんの音楽家とコラボレーションしたジャンルレスな曲で、いろんな方向へと願いを、祈りを届けようとしているこのアルバムは、ときにポップに、ときにダークに、誰の心にも寄り添おうとしている。様々な方向への視線をもつ。視点を変える。きっと良い方へといけるはずだという願いを込めて肩を叩く。

Just look inside
To see who you really are
I wanna live a care free life
You too right?
Your sad look won't get you too far from here
There is no need to frown
Don't compare yourself
As long as your better than your yesterday's

Oh don't be sad
You don't need to cry
It'll be alright
You're gonna be just fine

『Super good』

これから全部が上手くいくんだから!これからきっと良くなっていくところへ行こうよ!と言い切ってしまう、そのあっさりとした冒険心に

まんまと励まされてしまう。すべての人が求めているなんとも絶大な「It'll be alright」という言葉でオープニングを飾ってくれる。そして、

What do I want to be like?

『Ami』

と訊いて、グイグイと推し進めて行く。自らの思考の深淵に触れようとする。楽園へ行くために、優しさを掴むために、ひたすらに潜っていく。

Salvage, how lazy
誰かの手を振り払う
愛が何かを考え夜は過ぎる
優しい人が苦しまないように
ただ今はそれだけ

『marionette』

Lets end this thing tonight
Turn this world around
We're ready for a fight
Turn it upside down
I dream of a utopia
Still writing this story
Lets end this thing tonight
Wait for the light
This is not a film, right?
How can it have a happy ending
It may be too far to see from my room
Thave no choice but to stand up

『Right and light』

Why are you such an evil blood sucking monster
Im sorry,But this servant so fricken tired
Give me a break that's what I want to say
Why are you such an evil blood sucking monster
You are like a monster
Monster monster
Blue. My heart is blue
My heart is blue...

『Monster』

ねぇ、昔はさ
君とぼくとが手をつないで家に帰ってく
ねぇ、今ここで
昔みたいにとは言わないよ
言わないけどどうか
どうか

『ゆめのなか』

どうか、どうか、という祈りを継承していく。私たちは「セイハロー」と「セイグッバイ」を繰り返しながら生きている。そして、少しずつは良くなっていっているのかもしれない。しかし、きっとそれでも私たちがいるこの世界はそんなに大きくは変わらなくて、でも遠くないどこかに向けて途切れさせないように紡いでいかなければならない。セイハローアンドセイグッドバイ。セイハローアンド、アンド…。藤原さくらはこの継承の果てにある光を見ながら、音を奏でてくれる。

きっとさ思うより
地平線まで遠くない
言ったろ思うより
辿り着いたって楽園か?
声を上げても掻き消されるようだ
誰を愛して生きていきたいか
セイハロー アンドセイグッバイ
セイハローアンド
アンド.…
セイハロー 紡いでゆくのが
せめて、つぐないになるように

『楽園』

 


藤原さくら – Waver (Alternative Video)

Everybody good luck good luck

『Waver』

誰もが苦しくて、暗く落ち込んでしまった2020。“がんばれ”という言葉は発するにも受け取るにもあまりにも苦しいのだけれど、それでも藤原さくらの「Everybody good luck good luck」が私たちの心深くに浸透するのは、彼女が誰よりも未来を信じているからだ*2

 

*1:研ナオコの回がお気に入りだという素晴らしきチョイス!!

*2:10月26日放送のCDTVでも「明日は明るいぜ!」と言ってくれた