昨日の今日

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『テラスハウス』 TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020

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時間がたくさんあるので、ついに『テラスハウス』に手を出したのだが、めちゃくちゃにハマってしまった。朝井リョウがラジオでレジュメを用意して熱弁したのにも、ニューヨーク屋敷が楽しそうに話すのにも心を動かされなかったのに、膨大な余暇に突き動かされてしまった。どこから観れば良いのかわからなかったので、とりあえず最新のものからにしよう!と再生をタッチ。東京という様々な人格が交わる街に用意された車と家。そこに集う男女6人が織りなすリアリティーショーをYOU、山里亮太徳井義実らが巧みなワードで刺激していく。男女がギラギラしている感じ、恋愛がどうのこうのという感じなのだろう、と長い間敬遠していたのだけど、全くそんなことはなく、これまで観てこなかった自分を恥じるしかない。そう恋愛というのも勿論含まれているのだけど、テラスハウスで描かれるのは、生きるということだ。これからどうしていきたい、こうなれたらいいな、いま自分は人生のどこらへんにいるのだろうか、そんな途中にいる人たちの様子をカメラに収めていく。膨大な時間を撮られる彼らだから、悪い部分も映されてしまう。でも、それと同じくらいにその人の持つ良い部分をも映し出していく。誰もが持つ素晴らしい一面を肯定してあげる、そんな美しいシーンがテラスハウスには漂っている。

最終的に、翔平、ケニー、流佳、香織、莉咲子、春花、みんな好きになっちゃった。とりあえず、翔平が作る台湾料理はなんなんだ!めちゃくちゃ美味そう。流佳のブロッコリーパスタもまあまあの衝撃だったけど、翔平が作る台湾料理がすごすぎないか。というか、みんなが料理できすぎて、流佳が不憫でならない。滷肉飯たべたいなー。春花と莉咲子の口喧嘩なんかは楽しく観てしまったのだけれど、香織、翔平が仕事へのスタンスを話シーンなどはいろいろ考えさせられて良かった。誰が正しいとかではなく、途中の話、展望を、悩みながら話していることに、すごく素敵だなと思った。そう『テラスハウス』は、やはり生きることの話なんだというのを実感しました。流佳が「マーベルのヒーローになりたい」と言っていたのには、とても共感できる。多分、精神的なものであって、おばあちゃんが重い荷物を持っていたら助けてあげるとか、そういうことが当たり前にできるようになりたい!ということなんだろうなあ、うん!わかるよ、流佳!と思っていたら、本当にスパイダーマンになりたいと言い始めたときはビックリしました。でも、いつだってヒーローにはなりたいですよね。

編集によってメイクされている本編もヒリヒリしてとてもいいのだが、僕はYouTubeチャンネルで公開されている日常が結構好きで観ている。まず、好きなのは流佳が牛乳を凍らせてしまう事件。本当に何でもなくて好き。生活のリズムに入り込む牛乳が凍るというイベントが幸福すぎて、幸福すぎて。


【4th WEEK】翔平「流佳、オマエやらかしたろ!」流佳のミスとは…

つづいて、翔平の料理シリーズ。美味しそう*1


【4th WEEK】翔平的小吃vol.1〜魯肉飯&鶏肉飯〜


【12th WEEK】翔平的小吃vol.2~剉冰~

ケニーが月の土地をもらった話もほのぼのしていて好き。将来の夢が宇宙飛行士だった友達らで誕生日には月の土地を贈りあっているというケニー。何でもない会話の応酬が良い。

流佳:俺も行けるの?じゃあ

ケニー:いや、行けるとかは、また違う話になる。いいよ流佳がここに行ったら俺の場所、貸してあげる。

莉咲子:賃貸?笑

ケニー:毎月じゃないよ、1発で3000円だから。

流佳:あっ、3000円で買ったってことか

女子:いいなー

流佳:けっこうボコボコないから、いい感じ

ケニー:けっこういいところにあるよね、こことかだったらキツかった

香織:キツかったって何?笑*2


【10th WEEK】健司「いつでもオレのとこ、泊まっていいよ」

『グルメ舌なのは誰だっちゃ?利き卵選手権』も楽しそうだったなー。


【11th WEEK】グルメ舌なのは誰だっちゃ?利き卵選手権

ケニーと入れ替わりで入居した漫画家ペッペが、コンビニで自分の連載漫画が初めて載ったスピリッツを手に取るシーン。美しすぎて何も言えない。コンビニがデイリーヤマザキというところもいいなあ。店長のおばちゃんとのやり取りにもグッときてしまいました。

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個人的に『テラスハウス』東京編2019-2020でのベストシーンだと思うのが、愛されたことがないから愛する方法を知らないと話すトパスに、朝起きてお皿を洗ってあげている、そのこと一つも愛するということの一つだよ、とビビが教えてあげるところではちょっと泣いてしまいました。もうアルベール・カミュじゃないですか。

愛されないということは不運であり、愛さないということは不幸である。

ビビは一体、何者なのでしょうか。発せられる言葉が強すぎて、少し萎縮してしまうのですが、どうにも刺さってしまう。大きな目で語られることで逃げられないような気持ちに、画面越しでさえ思ってしまう…。とても愛が強い人なんだな。羨ましい。そう愛するために人間は生まれたんだな。

 

とりあえず、花や社長のシーンは書かないでおこうと思います。

 

 

*1:翔平の歯エピソードも面白い

*2:この渡邊香織さんめちゃ好き