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ドラマ25『捨ててよ、安達さん。』1話と2話


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 きっと誰もが誰かに必要とされたくて、きっと誰もが誰かを必要としている。でも、そんな想いはいつまでも届かなくて、ついには夢に現れてしまう。第1話ではDVD、第2話では輪ゴム*1、レジ袋だった。「捨ててよ、安達さん。」酷く寂しそうに、しかし真っ直ぐ見据えながら、そう言う。

現実から夢へとシームレスに移動していき、夢の中に現れる謎の少女が訊く。

あなたの人生には、また登場してくるよ。こういう人。その度に見えないところに追いやるの?捨てていいよって言ってもらえるまで待つの?相手に決めてもらうの?安達さん、モノいっぱい持ってるもんね。この部屋のモノ、これ誰のものなの?

安達さん、あんた自身は今、いったい誰のもの?

モノを捨てるという日常的な動作が意味を持つ。出会ってから別れるまで、どんなに小さいことだろうと、そのモノはきっと支えてくれていた。今までの心の隙間に挟まっていたのかもしれないし、便利な生活を手助けしていたのかもしれない。そんな自分が自分でいられることを支えてくれていたモノを捨ててしまったら、あっという間に自分は崩れ去ってしまうのだろうか、というとそんな訳はなくって、当然のように生活は更新される。冷蔵庫に貼り付けてある“捨てるものリスト”が“バイバイリスト”に書き換えられ、リストの空白が1話ごとに埋められていく。この捨てた後に、ちゃんと捨てた跡が残るという終わり方が木皿泉のようであって、とても素敵だ。

と、書いてはみたが、このドラマ最大の魅力は安達祐実がめちゃくちゃに可愛いということであって、夢の中での不自由さを演出するためのオーバーサイズの服装もキュートすぎる。また、子どもが捨てたゴミをすぐさま安達さんが処理する動作のリアルさが日常をより際立たせている。これから出てくる捨てられたいモノが何なのか気になるし、とりあえずすごく落ち着くドラマである。OP、EDの曲もめちゃくちゃ良いですよね。


SpecialThanks / 明日も明後日も【Official Music Video】

 

 

*1:臼田あさ美オカモトレイジが一緒に住んでいるのが、あんまり想像できないんですけど、どんな感じなんでしょうね