ブチ抜く吉田『トリプルファイヤー吉田の34歳の免許合宿』

www.youtube.com

トリプルファイヤー吉田による2週間の免許合宿ドキュメンタリーが素晴らしい。34歳の男が若者に混じって免許を取得するというだけの動画であるのに、あらゆる人のたくさんの物語が映し出されている。「山形のしかも山奥なんで訛りとか凄そうじゃないですか、みんな。仲間外れにされるんじゃないかな」という酷い偏見によって膨れ上がった不安を抱えた吉田靖直が潜入先のホテルからビデオレターを届けてくれる。電話をしているふりをして、布団にくるまって、挨拶をするのがしんどくて、団子を食べて、、、という報告が伸びていく髭とともに悲壮感を増殖させていく。このまましんどい免許合宿生活が映し出されていくだろうか、と思っていたら合宿7日目を境にその潮流が変わってくるのだ。髭がキレイに剃られシャワーを浴びたあとなのかさっぱりとした印象の吉田は仮免に受かったこととうっすら友達ができたことを知らせてくれる。

2週間を経て、卒業検定を控えた吉田靖直に会いにいく。

「こっちでは飲みに行ったりしたの？」

「まだ行ってないです。ちょっとコンビニで酒買って飲んだりとかはしましたけど」

「ひとりで？」

「そんときはひとりでしたね」

『持ってこなかった男』のフィーリング漂う返答を繰り返す吉田なのだけれど、今回はしっかりと持ってきていた！と言わんばかりにニヤニヤ、ニコニコした吉田は20歳の若者を「ツレ」として紹介する。カワムーという名前の子らしい彼が、打ち解けているわけでもなさそうのに、怪しげな男についてきてくれたことから良い人であるのだなあということだけが見て取れる。そんなカワムーに吉田は待望のスナックを会場に友情を一方的に宣言する。