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『Jリーグワールドチャレンジ2023』横浜F・マリノスvsマンチェスター・シティ

f:id:nayo422:20230723221753j:imageJリーグワールドチャレンジ2023』横浜F・マリノスvsマンチェスター・シティを国立競技場で観戦。昨年のパリ・サンジェルマンに続いてのスター軍団目撃である。プレミアリーグFAカップチャンピオンズリーグという歴史的3冠を達成した王者であるシティは、今日において紛れもなく世界一のチームであって、35戦で36ゴールというまさしく怪物級ストライカーとしてプレミアリーグ上陸の初年度に得点王に輝いたハーランドも現代サッカーにおける世界一の選手であるだろう。世界一のチームであるマンC、世界一のストライカーであるハーランドを見たくてこの試合に足を運んでいる人が多いとは思うけれど、しかし、個人的には、かつてユヴェントスに所属していたカンセロをこの目で見たいという欲望がこの試合のチケットを取らせたのであって*1、彼がセクシーなアシストでハーランドのゴールをお膳立てしたのを見れて感激である。

試合開始前のアップから振り返ってみよう。まずは、エデルソンやオルテガらキーパー陣がスタジアムに登場し、アップを開始。エデルソンの低弾道パントキックが炸裂すると拍手が巻き起こる。そして、続々とシティ選手たちも姿を現すなかで、ハーランドはなかなかやってこない。ベルナルド・シウバだ、ストーンズだ、アルバレスだ、グリーリッシュだ、カンセロだ、ウォーカーだなどと呟きながら双眼鏡で確認していく。グリーリッシュのダンディズムは並外れており、エロスを象徴するかのような魅力を放っていた。今日のサッカー界においてグリーリッシュがいちばんカッコいいのかもしらん、とさえ思えてしまう。そして、大型ビジョンにペップが映し出されると、またしても会場が湧き、その偉大さを実感しました。f:id:nayo422:20230725153419j:image監督が映し出され、会場が沸くというのは彼だけじゃないだろうか。現代サッカーのルールをかたちづくる彼は、選手のアップ中にはどっかとベンチに座り携帯を触っていた。この暑い中で姿を見せてくれてありがとうという気持ちである。また、デブライネも常時ベンチに座って、アップを行わなかったわけだけれど、来日も危ぶまれていたなかで日本に来て、ファンサービスをしてくれるだけで感謝である。そして、アップ開始から少し経って、ハーランドがようやく登場。会場が歓声に包まれるなか、その大きな体躯は遠目から見ても圧巻であり、身体的な大きさ以上のオーラを放っていた。

試合の結果については、5-3というアタッキングフットボールで素晴らしいエンターテイメントな試合内容にしてくれた両チームに感謝。渋い試合にならなくて良かった。【公式】ハイライト:横浜F・マリノスvsマンチェスター・シティ 明治安田Jリーグワールドチャレンジ2023 powered by docomo 2023/7/23 - YouTube 後半から出てきて2ゴールを決めたハーランド、今季は中盤としての起用が増えるだろうストーンズのゴールなど素晴らしいシーンはいくつもあったけれど、シティがプレシーズンであるとはいえ、同等以上のクオリティで応戦したマリノスの良質なプレーに感嘆してしまった。特にエウベルである。Jリーグにおいては、そのスピードと切れ味鋭いボールタッチを駆使するドリブラーであることは周知のことであるけれど、欧州リーグに所属する多くの選手が最も苦戦した選手として挙げているカイル・ウォーカーを抜き去ってしまったのだ。それも複数回である。私は彼のことをこれまでドウグラス・コスタ的な感じだと思っていたのだけれど、それが確信に変わった。1人であそこまでもっていけてしまうのは異次元である。

そして、この試合でなによりも白眉だったのは、マリノスサポーターによる応援であった。アディショナルタイムが4分と告げられてからの、ヴォルテージを3段階ほどあげたようなチャントである。隣で見ていた友人が「うお、マリノスの応援やばっ」と呟いてしまうほどであって、身体の内側から溢れ出すものを感得すると同時にそれを外へ吐き出さずにはいられなくなってしまう熱情がスタジアムを渦巻いていた。彼のようないつも海外サッカーしか観ないひとたちへの良いアピールになったと思うし、実際、多くの人が思わず手拍子をしてしまっていた。それほどに素晴らしい応援だった。マリノスサポーターである私にとって、とても誇らしかったし、勝ちに行こうとしているその姿勢はJリーグ王者であることをたらしめていた。

「“我々マリノス”は優勝できる」

試合後、ペップはそう言った。横浜F・マリノスは今シーズン、優勝するのである。f:id:nayo422:20230806224408j:image

*1:しかし、カンセロとトレードでやってきたダニーロユヴェントスのキャプテンを務めるほどに重要な選手になるとは思いもしなかった