昨日の今日

KINOUNOKYOU

お笑いとテレビと映画と本と音楽とサッカーと…

夢を見るんだと誰もが今夜祈るわけは

f:id:You1999:20210822033401j:image昼間に再放送されていたのを録画しておいた『古畑任三郎山口智子ゲスト回を観た。面白い。ストーリーとしては、いびられていた人間が仕返しをするという単純なものなのだけれど、山口智子の華麗なフラメンコシーンや古畑と話しながら並んで歩くシーンなどすべてが充実していて良かった。基本的には会話のシーンが積み重ねられるのだけど、ロケーションをたくさん使って、目線を合わせずに様々な方向を見て、などという心情の奥行きも楽しい。ひとは相手の目なんか見て話さずとも良いのである。また、しっかりとメッセージが込められているのも優しい。TBSラジオ『アフター6ジャンクション』で小出裕介が言及していたけれども、第一話にて「ひとは過ちを犯しても何度でもやり直せる」というテーマは確かに全体に横たわっていた。今日、この世に必要なものは『古畑任三郎』であるのかもしれない。

たとえですね、明日死ぬとしてもやり直しちゃいけないって、誰が決めたんですか。まだまだこれからです。

古畑任三郎』第3シーズン 32回

山口智子が出演している作品を観るにも、『古畑任三郎』を観るにもFODに加入しなくちゃいけないのだ。そろそろNetflix解約して、他のサービスに移るのも良いかもしれない、といつも思うのだけれど、そんなときに限って良い作品が配信されるのだよな。てか、みんなが観ているものとかに合わせて観る必要はなくって、『古畑任三郎』とか、『王様のレストラン』とか好きなものを観れば良いのだ。次の朝ドラに合わせて深津絵里のドラマを観たりするのもよいかもしれない。『スローダンス』とか。『オレンジデイズ』などこのときの妻夫木聡がすべてのなかで1番かっこいいと思う。主人公の顔立ちをしているし、うまくいかない若者のため息がよく似合う。映像学科に通っていた理一(妻夫木聡)は、なんとなくその未練を残しながら自動車教習所で教官をしている青年で、そこに衣咲(深津絵里)が生徒としてやってくる、と始まる物語が『スローダンス』だ。深津絵里の“月9らしい”演技メソッドも最高である。しかし、基本的に理一は不貞腐れているので、教習所の教官としては最悪でして、私が生徒だったら苦しくなってしまう気がする。教習所けっこう苦しかったなあ。教習所に通う生徒なんて、初めてハンドルを握るのであって怯えているのだから、めちゃくちゃ優しくしてくれないと!と思いますよね。

月曜日。『ドキュメント72時間 選』2015年放送、夏コミの回を観た。コミケコミックマーケット。幸せの贈与である。

幸せを守るのではなく 分けてあげる

松崎ナオ『川りべの家』

というエンディング曲と共鳴しあってとても良かった。私はコミケに行ったことはないし、行きたいともあんまり思わない(1回くらいは行きたいかもしれない)のだけれど、今、2021年に観ると「めちゃ密だなぁ」と思ってしまう。この規模のコミケを開催するにはもうかなりの時間を必要としそうである。しかし、ここに来るという事によって命を繋いでいた人にはなかなか厳しいものがある。FUJI ROCK FESTIVAL'21が新潟県で絶賛開催中で、賛否様々あるでしょうけれども、どーなんでしょうね。普通のライブじゃなくて、フェスだからなあ。実際に身体のなかで鳴る音というものを体験する必要はあるし、配信だけではダメなんだけれど、私自身フェスに1回行ったことがあるくらいなので、あんまりフェスというものに思い入れはないしなあ。でも、やれてよかったよね、とYoutube配信を観ながら思う訳でして、感動してしまうのです。開催するか、しないか、みたいなそういう対立になっているけれども、ほんとの現実というのは、「え、いま、フジロックとかやってるんだ、へえー、Youtubeで観れるんだー、ふーん」とかそういう人がほとんどだと思うので、そういうところにも長い時間をかけて、ちゃんとアナウンスしていく必要はあるかもしれない。「フェスかあ、関係ないなあ、どうでもいいなあ」みたいになってしまうとそれこそつらいし、補償の有無にもつながってしまう。みんな見えない力にいつだって助けられてるんだからね。

人はいつでも 見えない力が

必要だったり してるから

フィッシュマンズ『いかれたBABY』

1年に一冊も本を読まない人も本からの見えない力に支えられているし、スポーツとか興味ない人もスポーツから見えない力をもらっているのだ。映画も、演劇も、音楽も、フェスも、コミケも、そのほかなんでもそうなのだ、と思う。逆にいうと、あなたも知らず知らずのうちに見えない力を誰かに与えているし。そこから初めて、補償がないのはヤバい!と社会的な対話に繋げられると良いよね。長い時間はかかるとは思うけれども。まあ、あとインターネットは現実じゃないってことはみんなが思い出す必要はあるし、もっと向き合うべき相手はいるよね、と。ブチ切れながら仲間を少しずつ増やしていかないと、だ。

話を戻して、フジロック配信は全3日間で、OKAMOTO'S、くるり、Yogee New Waves、Tempalay、カネコアヤノ、NUMBER GIRL、羊文学を観た。みんなめちゃカッコよかった。特にくるりは偉大すぎた。いつかくるその日まで、音を鳴らす、歌う必要があるのだ…という説得力に満ち溢れていて、おおらかで美しいステージだった。“どこかで岸田繁が歌っている”というこの事実だけで、フジロックが開催される理由になったと思う。それほどに偉大だった。カネコアヤノも大きな声で世界を押し上げていた。この日もオープニングを飾るのは『抱擁』で、今年1番の音楽を奏でていた。『抱擁』素敵。NUMBER GIRLもカッコいい。Twitterで、やついいちろうが「andymoriも再結成してフジロック出ろ(念)」と呟いていた。しかし、そうなっても世界が救われなかったら絶望してしまう。ので、もうしばらくは再結成しなくても良いと思う。小山田壮平は眩い光であるけれども、その光は誰かを照らすものであってはいけない。羊文学は当然のように素晴らしかった。『マヨイガ』から完全に光を歌う人になっている。塩塚モエカは自分のありたい姿を常に模索していて、その未来の自分に向けて歌っている。最後は『祈り』だった。忌野清志郎ステージでYonceが出るの忘れてて見逃したの残念だ。Instagramで今年は(来年かも)もうちょっと人前で歌いたいと書いていた。良いですね。歌うべき人だ。

水曜日。録画してあった『ウチのガヤがすみません!』と『チマタの噺』を観る。『ウチのガヤ』には上白石萌歌が『子供はわかってあげない』の番宣で出ていて、ポンデリングを食べていた(1番好きらしい)。『チマタの噺』は岩井勇気。いつも通りの“澤部って実は…”の話。『水曜日のダウンタウン』にはニューヨークが出ていた。今年も賞レース決勝に出るニューヨークが見れますかね!楽しみ!

『ガルプラ』を#3まで目撃。とりあえず、私はソ・ヨンウン、スー・ルイチー、川口ゆりな、坂本舞白、ホ・ジウォン、カン・イェソ、キム・へリム、シュイ・ズーインでいきたいと思います!全員9人に残ってほしいです!応援します!それで、UNIVERSEというアプリを入れて、投票しようと思ったのだけれど、電話番号を登録するなどしないといけないようで、なんだか怖くなってやめてしまった。私の代わりに投票してあげてください。最初のミッション、『YES or YES』可愛くて毎日5回くらい観ている。


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みんな、限られたなかで最大限のアピールするのすごいな〜と思う。キム・ヘリムのYES or YESすべてが完璧なのだ。しかし、16個ものCELLが脱落してしまうのつらいですね。まだよく知らないままで落とされてしまうし、番組の編集の邪悪さに影響されないで投票するのも難しいですよね。


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ヨンウンの安定感凄まじい。ヨンウンはもう9人に残ること確実で良いのですよね…?と思っているのですが。川口ゆりなさん、カメラに映るところピンポイントでバチッと決めるの美しいですよね。揺らぐことなく完成されている。この2年くらいでK-POPを聴いたり、オーディション番組なども観るようになって、ほんとにK-POPというものは反復運動であるということを痛感します。画面と自己との往復である。みんな魂が美しい⇄私は美しくない、みんな頑張っている⇄わたしは頑張れない、などといったこの反復運動こそがK-POPのあるひとつの側面であるような気がする(久保ミツロウYUKI論です。私はYUKIではない、その反復にこそYUKIは立ち現れるのだ)。最近V LIVEを観れていない。ラジオ感覚で聴けるといいんだけれど、韓国語まったくわからないし、字幕を見なくちゃいけないし、しかし1、2時間くらい画面を凝視しないと、と考えるとねえ、生活にとても不便だ。韓国語わからないとめちゃ不便。

『ドライブ・マイ・カー』を観る前に、西島秀俊を予習しておこうと黒澤清クリーピー 偽りの隣人』を観て、

そのままなんとなく『回路』も観た。加藤晴彦はほとんどシャムキャッツ夏目だ。黒沢清の映画って普通に座って話しているところを映しているのとかが面白い。普通のシーンなのに何か変というのがものすごく巧みである。あと、「ちょっとここで待ってて、すぐ戻ってくるから」と言って走り出す加藤晴彦の背後ですぐさま席を立ち去る小雪のシーンには毎度のこと笑ってしまう。西島秀俊はもっと良い映画に出まくるべきですよね。『ドライブ・マイ・カー』めちゃんこ楽しみにしているのだけれど、上映時間179分というのが懸念材料であります。さすがに120分には収めてほしい、せめて140分だ。沖田修一のは短くまとめられないのはわかるのだけれど。『子供はわかってあげない』『孤狼の血 LEVEL2』を観た。どちらも良かった。天木幸男が良すぎでした。松永弘であり、水野である。カッコよすぎる。けど、上林の過去を描いたりとか、チンタの諸々とか命の重み的な描写は要らなかった。もっと観客を信頼したつくりでよかったのでは?と思った。『子供はわかってあげない』コミックも読み直した。楽しい。「笑う門には」「デスメタル」(上巻80頁)などのコマのつながりも面白い。それと、カルチャー固有名詞の豊かさにピンチョン的なものがありますよね。ピンチョン『ブリーディング・エッジ』読み終え、そう思った。

あと、やっぱり『子供はわかってあげない』の「夏」を学生とか若い人に伝えるには映画とはまた別に、アニメもやるべきだとは思う。京アニが製作してくれたりしたらいいよね。アニメはやるべきなのだ、絶対に*1。『水は海に向かって流れる』映画化されるとしたら、有村架純だよね!で、水沢林太郎もいいよねー…水沢林太郎いいよね!

『博士ちゃん』2時間SPを観る。“ヨナ抜き音階”というものを知る。ドレミファソラシドの“ファ”と“シ”を抜いたものであるらしい。日本の民謡によく用いられているようで、これを用いると懐かしさが出たり、口ずさみたくなる効果などもあるらしい。最近の邦楽にも使われていて、なんと星野源『恋』などもヨナ抜き音階が使われているようです。そして、そのヨナ抜き音階の最高傑作が筒美京平木綿のハンカチーフ』だそうで、男性と女性の掛け合いになっている曲だけども、女性パートに入るところで、ヨナ抜き音階になることによって、「いいえ あなた」のところで女性の心情の複雑さや音楽としての惹きつける効果が発揮されているようですよ!これからは星野源『恋』などがテレビで流れたら、「これってぇ、何が素晴らしいかっていうとぉ、ヨナ抜き音階てぇのがぁ、使われてるわけなんだよねぇ、それでねぇ、『木綿のハンカチーフ』ってあるんじゃん…」と蘊蓄をダラダラと語ることができますよ!ぜひ、やってみてください!嫌われるかもしれないけれども。

ユヴェントスセリエA開幕戦を観る。開始直後にディバラが決めるという幕開けに胸が高鳴る。私はディバラのユヴェントスが好きなので、アッレグリが「ディバラを中心に作っていく」というのは大変ありがたいことだ。そして、ちゃんと決めるディバラ!好きです。そのあとにクアドラードも決めて、あっという間に2-0。やっぱりアッレグリなんだよなあ、サイコーじゃーん、と余裕綽々でいたのですが(ロナウドをちゃんとベンチスタートにしたの信頼できる…!)、シュチェスニーの乱調によって、嫌な点の奪われ方が続いて、2-2フィニッシュ。プレイヤーというものは一年で全く動きが変わるので、彼もそのときなのかもしれない。ブッフォンはすごかったということだ。まあ、海外サッカーが始まって日々が楽しくなりますね。スタジアムには観客がびっしりと入っていて、なんだか本当にすごい。すごい、としか言いようがない。すごい。ロナウドのあのゴール取り消しは厳しいっすねー。

*1:それで思い出したけれども、『蜜蜂と遠雷』のアニメ化やってよ!あれは推しをつくれるし