昨日の今日

KINOUNOKYOU

お笑いとテレビと映画と本と音楽とサッカーと…

ここんとこ。「2020.9」


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なんだか9月は長かったなぁという気がする。嬉しかったこともあっただろうし、なんにも思わなかったこともあったのだろうけれど、しかしやはり悲しかったな、という記憶がただ漠然と残ってしまうのが今年のトーンだ。全くもって不安定な世界でふらふらと揺れながらもなんとか滑っていかなければならないらしい。そんな感じを含んでいた、ジョナ・ヒル『mid90s』は良かった。スケートボードという不安定な乗り物を青春映画のピースとして用いて、場所が変われば、心も変わり、出会う人が違えば未来も変わっていく。その不安定な移動をビデオに収めようとするその行為が、映画に連結されていくという過程が気持ちがよかった。スケボーが形作る“つながり”の暖かさよ。90分のランタイムもいい。


Mid90s Fourth graders movie Scene

太いジーンズに対する憧れも猛烈に溢れ出したりしたので誰かプレゼントしてください*1。つまりは、ただ普通に良い映画だったということです。京アニ『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』も観た。ひとまず公開してくれたことに感謝せねばならない。美しい映像と音響。切ない視線と想いは手紙となって確かに届くという物語に心を洗われました…。けれど、期待しすぎていたせいか、30分アニメをリアルタイムで観ていた時のような、はちゃめちゃに泣いてしまうようなところまでは到達できませんでした。140分という上映時間も長く感じてしまったし、なんだかぼんやりしたところもあったような…。でも普通によかったですけどね。『ブックスマート』は結局観ていないんだけど、いろんなひとのハッピー感想を読んでいたら、なんかもう観たような気持ちになってきてしまっている。観ないで終わる感じだ。金曜ロードショーマッドマックス 怒りのデス・ロード』が放送された夜。「『マッドマックス』は頭空っぽにして観られる映画」と言えちゃう人こそ頭空っぽだと思う。というようなツイートが流れ込んできてムカついた。あくまでも構造、システムが悪いのに、どうしてそれに気づくことのできない人たちが、“空っぽ”と言われなきゃいけないんだと腹が立ってしまった。で、何度目かのマッドマックスを観たら、やっぱりめちゃくちゃ面白い。画の奥行きと左右、前後でいろんなものが動いていて楽しい。もう面白ければなんでもよくなってしまう。

 


[NiziU LOG] #1 SUMMER Vlog

NiziUを観て元気になろう。とVlogを再生。ミイヒがいないのは残念だけど、みんなちょ〜かわええ。『THE MUSIC DAY』でのパフォーマンスも最高だった。泣ける。デビュー日が正式に決定して、12月2日にDebut Single『Step and a step』!楽しみに待ちましょう!もうNiziUを観てるとほんとにニヤけてしまうのですよ。リアクションが本当にこれ。は〜ありがとうという気持ち。ナヨン『I LOVE…』もめちゃよかった。


NiziU Make you happy reaction(The music day)


“I LOVE... (Official HIGE DANdism)” Cover by NAYEON-Vocals Only


最近はSFの気分だ。夢だとか並行世界だとかに浸かりたいのだけれど、結局は自由意思はあるのかどうかの話に収斂していくのが不思議だ。今やってる『デカダンス』や『リゼロ』もそうかもしれない。自分で選択しているようで、結局は選択させられているらしい。すべてがシミュレーションに帰するのだ。予定調和。

タイタンの妖女

タイタンの妖女

 
氷 (ちくま文庫)

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スペクタクルの社会 (ちくま学芸文庫)

スペクタクルの社会 (ちくま学芸文庫)

 
城 (新潮文庫)

城 (新潮文庫)

 
改良

改良

 

Netflix『もう終わりにしよう。』を観て、超くらってしまったので、引用されていた本などを読んだりしたのだけれど、『スペクタクルの社会』なんかは、じっくり読んでじっくりわからなかった。アンナ・カヴァン『氷』は初めて読んだのだけどめちゃ良かったです。何かを見ているということの不確かさが、次々に起こるできごとのせいで、実感を伴った体験になってしまい、実と虚があやふやになっていくのが面白かった。全部が夢のような現実であって、現実のような夢。『破局』を読んだので『改良』も読んだ。

カラオケ行こ! (ビームコミックス)

カラオケ行こ! (ビームコミックス)

 

漫画はこの2冊。田島列島『水は海に向かって流れる』3巻は良すぎて、良すぎて、震えました。コマ割りとその余白のなかを動く人物の滑らかな動きに泣ける。和山やま氏は安定。

ZENOBIA ゼノビア

ZENOBIA ゼノビア

 

図書館にあったので読みました。

9月のベストシーンは、やっぱり『キングオブコント2020』でしょう。今年のキングオブコントめちゃくちゃ楽しかった!ニューヨーク、ニッポンの社長空気階段などなどみんな良かった。ニッポンの社長藤子・F・不二雄のSF短編集を読んでいるようでした。他種族とか交流、そしてめばえる恋、ラストの悲劇。それとロングコートダディもめっちゃよかった。


【コント】井上さん/ロングコートダディ

下ろして、積み上げて、という運動を見ているだけの堂前の些細な所作に笑えてくる。ただ見ているだけというのも何だから、なんとなく足をちょっと動かしたり、ダンボールの移動を首動かしてみたりするのに、わかる〜と独り言ちました。「およよ…」って思っているけど、やっぱ言えないしで、でも言ったほうがいいかな?と細く声を出しているのとかも好き。そしたら「どうした?ダンボール初めてか?」と訊かれ、「あぁ、いや、」となるのも微笑ましかったです。空気階段2本目の定時制高校の空気のようなものは、確実にこのロングコートダディのコントにも流れていると思うのだ。空気階段は“恋の尊さ”で、ロングコートダディは“生の尊さ”だ。不器用ながら生きている、その蓄積が筋肉となってあらわれていることが素晴らしいじゃないか。

空気階段の踊り場』もサイコゥサイコゥ!でしたね。

もぐら「だからみんなひとりじゃねぇ、ってことなんだよ。ラジオの前でみんな繋がってんだよ、銀杏BOYZで『エンジェルベイビー』でした」

エンジェルベイビー(通常盤)

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  • アーティスト:銀杏BOYZ
  • 発売日: 2017/07/26
  • メディア: CD
 
Chewing Cotton Wool

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  • 発売日: 2020/08/13
  • メディア: MP3 ダウンロード
 
BBHF1 - 南下する青年- 通常盤

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  • アーティスト:BBHF
  • 発売日: 2020/09/02
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Dos Siki

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LOVE CENTRAL

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Spotifyをシャッフルでかけていたらドリカムの『その先へ』が流れてきたので、久しぶりに聴いてたら、めちゃくちゃ良くて泣けてしまった。ドリカムはパワーがある。

 


Andrea Pirlo Speaks as Juventus Manager for the First Time!

ユベントスのこと。いや〜アンドレア・ピルロが戻ってきてくれました。なんとも品がある。ピッチの隅でバカみたいに煙草を吸っていた前監督とはえらい違いだ。スーツもバチっと決まっている。名称になれるだけの佇まいの美しさがあるので、今年は大変だろうけど頑張ってほしい*2。第1節サンプドリアはめちゃくちゃに整理された試合だった。ウイングが幅をとって、ライン間での人の入りもめちゃ良かった。けど第2節ローマでは、微妙にバタバタしてしまっていた…。例年通りのプレシーズンを過ごせなかったピルロには大変だろうけれどなんとか立て直して欲しい。キエッリーニも怪我から戻ってきてくれて最終ラインに安定感を与えてくれている。ありがとう。にしても新加入のマッケニーはとんでもない選手だ。ユベントスに来てくれてありがとうと言いたい。

なんとなく「雨降りは嫌ですね。」を「ここんとこ。」に変えてみた。“嫌”って入るの嫌だなぁ、と思ったので変更。“雨降りは嫌ですね”はバナナマン『新宿パワーセミナー』での設楽さんの1発目のセリフなんだけれど、これが痺れるほどにいいので借りていた。この一言でコントの世界観を作ってしまっているので恐ろしいほどだ。今年のキングオブコント面白かったけど、やはりまだまだバナナマンのコントが紛うことなき頂点なのだと思った。

 

 

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*1:と考えていたら、『ぴったんこカン・カン』草彅剛が200万円で買ったLevi'sの値段が600万円まで上がっているという放送をたったいま目撃した。なんじゃそれ

*2:CLではクーマン率いるバルセロナと同組に入ってしまった。メッシとロナウドの最後の時間となってしまうかもしれないのしっかりと目に焼き付けましょう