昨日の今日

KINOUNOKYOU

お笑いとテレビと映画と本と音楽とサッカーと…

GERA放送局『赤もみじの借金パンラジオ』

f:id:You1999:20200627131807j:imageインターネットラジオGERA放送局『赤もみじの借金パンラジオ』が面白い。本当に笑ってしまう。赤もみじはボケ担当の村田大樹*1とツッコミ担当の阪田ベーカリーからなるマセキ芸能社所属のお笑いコンビ。村田はパチンコなどのギャンブルで拵えた借金が230万円ほどあるという男であり、パン作りが趣味の阪田はYouTubeで『阪田ベーカリーのぱんちゅーぶチャンネル』というパン作り専門チャンネルの運営などをする男である。なんだか不思議な組み合わせのように感じるのだけれど、ハイスクールマンザイからの知り合いという先輩後輩のバランスが心地よく*2、ラジオでの掛け合いはもう漫才のそれである。

およそ30分くらいの配信は、部活が始まる前*3に友達と駄弁っているような幸福な時間を与えてくれる。M-1予選の写真前での漫才、ゲームキャラ風間飛鳥への恋、note収益論争、成人式キャラの獲得、ドライイースト転売ヤーへの怒り、プログラミングを学んで自分のキャラをゲームの中に入れたい*4、地元の伝説のヤンキー楽満、どっちが照れてるか、黒赤もみじと白赤もみじ、などなど#10までの配信だけでも、聴きどころはたくさん、どれもがくだらなくて面白い。

#4『グランド・セフト・オート』をやりながら日々を過ごしていると村田が話す。

(村田)いや、最近はもうさ、外に出られへんからさ、もうグラセフ。オープンワールド、すっごいマップが広くて、どこにも行けんねん。だからもうほんまにな、200キロぐらい、ブワああって出して、で△ボタン押したら、車から降りれんねやんな。「マックススピードまで出して、車から降りて死ぬ」っていうのを繰り返してますね、

(阪田)なんで笑

(村田)すっきりすんねん

(阪田)ほんますか、何が楽しいんですか、間違ってると思いますけどね

こんな話したことあるし、してた奴いたな!というようななんともない話がとても面白い。ゲーム内で無駄なことを繰り返して、すっきりする。『借金パンラジオ』にもそんな意味のないことが漂い続けのだけれど、めちゃくちゃに無意味な行為であっても、自分でそれに価値を見つけて仕舞えば、それはもうめっちゃ面白いことになるんだ、というような力業の美しさがある。そして、笑ってすっきりするのである。無意味なことは心を癒す。こんなどうでも良い会話を求めてラジオを聴くのである。

赤もみじはコーナーにしても、リスナーが信じる無意味なことを募集する。スロット中、隣の当たった台の光を自分の目で吸収し、自分の台に移す「光移し」といったようなオカルト(ルーティンのようなもの)を募集するオカルトのコーナー。しかし、このオカルトをやったからといってどうにかなるというわけではなく、あくまでも精神安定剤のようなものであり、でもやらずにはいられないという無益な行いである。それでも、だからこそ良いのだ!と言ってしまおう。何にも生み出さないかもしれないが、きっとそんな時間には素晴らしい価値があり、何にも生み出さなくていいのだから安心して落ち着いて聴けるのである。『借金パンラジオ』には様々な最高に無意味なもので溢れているので、ズブっと埋もれて脱力してしまいましょう。それはもう最高に無敵な時間ですので。陸続きではダメなので、海を挟んだ沖縄に飛ばす話はめちゃ笑った。

chelmico鈴木真海子、スカート澤部、スーパーマラドーナ武智も注目する新進気鋭の漫才師赤もみじをM-1本戦で売れてしまう前*5にチェックしちゃいましょう。もうあっという間に人気者になりそうです。

*1:長瀬智也にちょっと似てる

*2:「お前」「村田さん」の呼び方最高

*3:スパイクの紐を結びながらダラダラ喋ってる時間めちゃ好きだったなあ

*4:「俺、ほんまの人間やもん」という村田のパワーワード

*5:それによる借金返済を『借金パンラジオ』で聴きたい