昨日の今日

KINOUNOKYOU

お笑いとテレビと映画と本と音楽とサッカーと…

大童澄瞳×サイエンスSARU『映像研には手を出すな!』


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金森:崩れませんかね?ここ

浅草:これはフィクションだから平気じゃ!

楽しくて逞しいセリフだ。フィクションの世界で、ボートに乗り込み、巧みな体重移動*1でずんずん進んでいく。私たちが作った“最強の世界”なんだ、自由にやろうぜ、といった爽快さがある。今年の冬アニメベスト!OPには放送前からワクワクしていたchelmico*2 「Easy Breesy」がかっ飛ばす。

頭ん中 もう完成形見えた

頭ん中 もう自由自在

心の網目 細かくして

最強の世界できちゃってるわな〜

chelmico 『Easy Breesy』

現実と頭ん中の最強の世界がシームレスに切り替わる気持ちよさ、それは性別なんてものも軽々と超えてしまう。胸の大小になんか全く力を注がないし*3、〇〇×女子高生というものを全然意識させないのが良い。今はアニメの話をしてるんだ!男が、女が、そんな話はナンセンスだ!という真っ直ぐな感情が柔らかな線で描かれていく。

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自転車を乗るシーンでは、『ストレンジャー・シングス』*4を思い起こしてしまった。凄まじい豊かな想像力を持っていても、結局、移動手段が自転車であることに、どうしようもないワクワク感が溢れ出てくる。イェーイ!そうだよ!自転車だよ!と。何かを掴み取るときには、身体を動かすんだ!そんな印象が立ち上がる。そう考えると『ストレンジャー・シングス』の味がどんどんしてくる。『ストレンジャー・シングス』が家族の再生モノでもあり、学園モノでもあり、恋愛も、友情も、アクションも、SFも、スタンドバイミーのようなジュブナイルモノでもあり、全部入りの最高極上エンターテインメントであったように、『映像研には手を出すな!』も複雑に入り組んだ建物のように、様々なものが混ざり合い、社会性をも含んでしまう圧倒的なハイコンテクスト作品となってしまい、その出来ばえに感嘆するしかないのです。

やがて、この物語を観ている部屋は世界とつながる。君はひとりじゃない。そんなラストには感動しすぎてたまらない。

ここにおいでよ

一緒に冒険しよう

何者でもなくても 世界を救おう

いつか 時が流れて 必ず辿り着くから

星野源ドラえもん

 

*1:この体重移動とかがグッとくる

*2:僕はレイチェルの顔がめちゃくちゃに好きです

*3:大きいも小さいも描かないお風呂シーン

*4:ストレンジャー・シングス』も『映像研には手を出すな!』も登場人物の顔がいい!