昨日の今日

KINOUNOKYOU

お笑いとテレビと映画と本と音楽とサッカーと…

サタデープレミアム「宮下草薙の60分」と「宮下草薙の15分」

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お前のこと全部知ってると思ってたら

知らない話ばっかりだったから!

アメトーーク!で解散したい気持ちがあると告白した宮下に、そんな思いがあるなんて知らなかったと草薙が言う。同じアパートに別々の部屋を借りて暮らし、お互いのことで知らないことなんてないはずなのに、それでも風に運ばれてやってくる。そんな宮下草薙の知らないことを聴きたい僕たちは、毎日を一緒に過ごしてもう話すことなどないだろうに、2人に何か話してもらおうとトークテーマをめくってもらう。無人島にチーズバーガーを持っていく草薙とナイフ一本で生き抜こうとする宮下が「そのままでいいよ」と優しく喋る。自分の力で掴んだものなら、どんなものだろうと素晴らしいじゃないか、と言い切ってくれる。

(草薙)

野球やって、初めて試合出たときに

セカンド守ってたのよ、二塁

なんか、そのゆる〜い、そのフライがきて

で、捕ったのよ初めて

で、嬉しかったから「よし!」って言ったら

『セカンドフライ捕っただけで、あんな喜んでるよ』みたいな感じで言われて

陰口を(笑)

 

(宮下)

いーじゃんなあ!

自分の能力で一生懸命フライキャッチして喜ぶんだったらねえ(笑)

宮下草薙のラジオに芸人のそれはなく、ただただゆったりとした時間が流れる。出口のない四角い液晶パネルに押し込められた2人が、声だけのラジオという自由を手に入れて楽しそうに話す。そんな15分を僕らに与えて、またカラフルな舞台へと戻っていく。特別なコンビ名を持たない宮下草薙はそれだから「宮下草薙」というコンビ名のように、個性を失わせずに宮下と草薙の話をする。洗濯機の置き場所の話、お正月に宮下はおもちゃ屋さんにバイトに行き、草薙は宮下のサインを偽造した話、お菓子をバトルさせた話、一緒になって掃除した話。なんでもない話たちがとても愛おしい。特別なコンビ名を持たず、手の中に何も持っていないことが不安であるかのように漫才をしながら草薙はシャツのボタンをいじる。そんな草薙のネガティヴ話を宮下は丁寧に優しく聴く。

持ってるヤツに持ってないヤツが

たまには勝つと思ってたいヤツ

RHYMESTER『ザ・グレート・アマチュアリズム』

どんなに殴られても、草薙がぐるぐると腕を振り回して、相手に1発ヒットさせる。そんな瞬間が見たくてたまらない。セコンドの宮下が指示を出して、それを草薙が素直に聞く。勝っても負けてもどっちだっていいんだ。負けたら辞めて、おもちゃ屋をやればいいし、喧嘩しそうになったら握手をして落ち着く。勝ったらこのラジオで「おい…勝っちゃったよ…どうすんだよ…ふははははは(笑)」と話してくれれば良い。リングの角で楽しそうに休憩している宮下草薙を、持ってるヤツに持ってないヤツがたまには勝つと思ってたいヤツらが、リングを見つめ全力で応援し、テレビでは知ることのできないいつもの宮下草薙を知れる15分間がまた月曜深夜にやってくる。