LOFT9 Shibuyaにて開催されたパンプキンポテトフライのトークライブ、『パンプキンポテトフライの90分』を目撃。19:00ぴったりに壇上に勢いよく上がってきたものの顔が固まり俯きがちな山名さんに「緊張してんのか」と谷さん。「今日、谷には楽をさせてあげたい」と今回のライブの企画はすべて山名さんが考えてきたようで、司会進行もやると舞台裏で宣言していたようなのだけれど、「俺もうだいぶ頑張ってるよ」と谷さんが言ってしまうくらいには山名さんがフリーズするシーンが多く笑ってしまう。ひとまず、アイドリングトークとして本日限定で用意されているメニューの説明をし始める。山名さんが考案したIn front of the microphone（抹茶リキュールの豆乳割り）は、抹茶と豆乳でマイクの前に立つ2人をイメージすることによって作られたそうなのだけれど、すぐさま「いや、俺にも緑（抹茶）がはいってもうてるしな」とツッコミが。マイペースなのか緊張しているのかどうなのかはわからないのだけれど、山名さんがふらっと「楽させてあげるから…」とボソボソ呟きながらステージを降りると、真っ赤なボックスを手にもう一度、壇上へ。そのボックスの中には山名さんが考えてきた企画の数々が書かれたカラーボールが入っているようで、さっそくボックスの中に手を突っ込むと「〇〇の口にして」というもの。山名さんが「お好み焼きの口にして」と言うと、谷さんが幻想のお好み焼きをつくってみせる。すると、あっという間にお好み焼きの口になったそうで、次の企画へ。企画を考えた山名さんの動きを、何も知らない谷さんと観客、皆んなが手探りでライブの進行を見守る奇妙な時間が流れていく。
「喧嘩」と書かれたカラーボールを谷さんが引くと、山名さんが「俺のこと嫌いになってきてる？」と聞くことで火蓋を切る。すると、「いや、芸歴2年目のころと能力とかできることとかがまったく変わってないのにムカついてますよ」と谷さんが応答する。「でも、もう言ってもそのときだけシュンとして、結局何も変わらんやん」と続け、それに俯きながら頷く山名さんに、「ほら、これで俺が言って、山名さんがかわいそうみたいになるやん」とstand.fm『たっくんラジオ』でもお馴染みの展開に。しかし、芸人としてではなく、高校からの友人としての何かを期待しているように見える山名さんが愛らしくもある。
その後も、キャッチボールをしながらの悩み相談、なわとび、一致するまで次行けません、腕相撲、立ち幅跳び、、、とバラエティに富んだカラーボールが飛び出してくる。キャッチボールトークでは、「会話をしているときにどこで笑えばいいのかわからなくなって笑えなくなっている」と山名さんが打ち明けるのだけど、それは昔、「お前って笑わんよな」と谷さんに言われたことから意識し出したとのこと。そう、このライブはとにかく山名さんから谷さんへと矢印が向けられているのだ。「2年目と何も変わっていない」と言う谷さんへ向けての山名さんからの10年目にして初の定例報告という具合だ。なわとびをするときには「お前がなわとび得意なの知らんかったわ」と谷さんが言うなど、新たな一面を披露する。
引いたカラーボールはもう一度ボックスの中に戻す、というルールのもと、結果なわとびは3回行われたのだけれど、二重飛びの記録を23→26に伸ばすなど、能力の成長を見せてしまうのも面白い。2年目から何も成長していないと言われた男の起死回生は縄を飛ぶことであったのだ。一致するまで次行けません、では、京都や福岡など遠方はるばるやってきてくれた人からお題をもらい、飲み物といえば（谷:水、山名:コーラ）、人生とは〇〇（谷:マラソン、山名:山）、〇〇丼（2人とも親子丼）などに挑戦していき、親子丼でクリア。山名さんによると谷さんは親子丼の話ばっかりしているそうなのです。腕相撲、立ち幅跳びをこなしていき、続いては、賞金ゲットチャレンジ！５つのカップのひとつにだけ酢を入れ、それを引かずにウーロン茶のカップ4つを飲むことができれば、山名さんのポケットマネーから10,000円の賞金が。右端に酢を入れる山名さん。
谷さんはまず左端のウーロン茶を飲み、クリア。「ということはこっちの端っこもないんですよ」と右端を飲むとアウト。吹き出してしまい、賞金ゲットならず。ここにきて、もう時刻は8:14をまわり、残り時間が少なくなってきたため、ボックスを破壊し、直接カラーボールを物色し始める。
ライブの最後の企画として、山名さんがボケを繰り出し、指定された谷さんのツッコミを引き出すというものが選ばれる。ひとつ目のお題「ちんちん忘れてきた？」は早めの段階で、谷さんが膀胱というワードまで辿り着き、「ちんちんホテルに置いてきたんか！」というツッコミをに引き出すことに成功。そして、ふたつ目のお題「休め！」を引き出すことになるのだけれど、これがなかなか苦戦してしまう。三文字というヒントをもらい、「はあ〜もうしんどいわ〜」と言う山名さんに、「どした？」「だっこ？」「あっこ？」とワード繰り出す谷さん。谷さんによると“あっこ”とは、ラブラブのカップルが“抱っこ”を変形させて言うときのものらしい。
なかなか望んでいるツッコミワードを繰り出さない谷さんはヒートアップし、胸ぐらを掴み、「殺す」というFワードまでをも響かせてしまう。顔が固まり、緊張しているかのような姿を見せていた山名さんは素敵な笑顔を見せてくれて、嬉しい。最終的に、「どんだけ休め、休め、言ってくんねん」と力技に出ることによって、「俺、休め休め言ってんの？」と強引に谷さんから“休め”を引き出すことに成功していました。
90分を越えて、110分になったところでトークライブは終了。「今日は谷に楽しんでもらいたかったから」と言う山名さんに、「お客さんじゃなくて俺を楽しませようとしてたの？」と谷さん。「谷を楽しませたい」を「谷を楽させてあげたい」とトークライブ開始時に言っていた、その照れが良い。山名さんは素敵なひとである。最後に、5月28日に第1回単独ライブを北沢タウンホールにて開催することを発表。谷さんは「今まで逃げてきてたんですけどね」と言い、「今日のライブよりは面白いと思いますんで」と会場の笑いを誘っていました。In front of the microphoneの2人を観にいきましょう。
In front of the microphone美味しかったですよ。
