ヨーロッパ企画とフジテレビがタッグを組んで制作する「ヨーロッパ企画のYou宇宙be」の第3回で2014年に放送されていた『ヨーロッパ企画の26世紀フォックス』の中に入っている『君は映画』が流されていたので観た。画面を真っ二つに分けて最初から最後まで進行する実験的ショートムービー。眼鏡をかけてラフな格好をしている上野樹里がいい。
レンタルビデオ店で映画を借りてきた上野樹里と永野宗典はポップコーンも買ってきているようで準備万端。早速ディスクを入れて、画面を見つめていると、どうやら何かがおかしい。
上野樹里「え⁉︎」
永野宗典「え、え、ん⁉︎」
上野樹里「え、これ、これは何ですか?」
永野宗典「え、僕に聞いてます?」
上野樹里「いや、だって、これ、え、映画なんですよね?」
永野宗典「これって、どういうことですか?」
上野樹里「これですよ、あなたですよ!」
永野宗典「いや、僕は映画じゃないですよ!てか、あなた映画ですよね?」
上野樹里「いやいや、わたし映画じゃないですよ」
何故か映画と会話できるのだ。永野宗典は借りてきたの『13日のはらわた』という映画のパッケージを画面に向けて、「ほら!あなたですよね?」と語りかける。ジェイソン・ボーヒーズに襲われかけている上野樹里らしき人が描かれている。「それなら、、、ほら『ミッション・イーグル』!」と上野樹里も映画パッケージを画面に向けて、永野宗典らしき人が描かれているのを見せつける。
永野宗典「ほら、今やばいですよ、来てますよ!後ろに殺人鬼みたいなやつが!逃げないと殺されますよ」
上野樹里「あなたこそ、後ろにマフィアがいますよ」
上野樹里が振り返るとそこには殺人鬼がいて、永野宗典が振り返るとそこにはマフィアがいる。やがて、警官やら中華マフィアやらがわらわらと現れて部屋の中はカオスになっていく。そんな中を逃げ惑いながら「これってどうすればいいんですか?」と聞く。
永野宗典「あなたはヒロインなんでどんなピンチになっても絶対助かりますから!逃げてください!とにかく落ち着いて!鍵を開けるときは落ち着けば必ず開きますから、これホラーの定石ですから」
上野樹里「あなたも、ほら、身近にある硬いものを胸のポケットに入れてください!そうすれば銃弾から守れますから!」
永野宗典「胸ポケットないんですけど⁉︎」
上野樹里「じゃあ、そこにあるメダルみたいなの、それで守れると思います。アクションあるあるなんで!」
お互いに映画あるあるを教えることで危機を乗り越えようとしていると、敵がパッケージを発見してしまい「これはどういうことなんだ?」と尋ねてきてしまう。
上野樹里「あなたたち、映画なんです!」
永野宗典「あちらも映画で、お互い映画なんです」
パッケージを見つめてキャラクターたちが混乱するのに乗じて、上野樹里と永野宗典は部屋を飛び出すと、どうやらお隣同士だったようで、エレベーターで鉢合わせする。下のボタンを押してもなかなかこない。
上野樹里「はやく!はやく!」
永野宗典「ああー!来ないですね!」
上野樹里「もうこういうとき絶対に映画だと来ないですよね!」
永野宗典「あー、そうですよねー、来たとしても車のエンジンかからなかったりしますよねー」
上野樹里はビリビリとパッケージを半分ずつにし、それを合わせて1枚の映画を作ってしまう。それに永野宗典がvsを書き足して、『13日のはらわたvsミッション・イーグル』にしてしまう。戦う相手が変わったキャラクターはもみくちゃになってもう何が何だかわけがわからない。それをひとつの画面で並んで観ている上野樹里と永野宗徳はどうなったことやら、めでたしめでたし。