暑い夏を涼しく過ごすために、バナナマン 『恋人岬』を観た。BANANAMAN LIVE「monkey time」に収録されている傑作コントだ。ごくわずかなアイテムを使い分けて、ひとつの舞台に4人を登場させてしまうバナナマンクオリティ。白いカチューシャをつけ一心不乱に後輩・佐藤くんを見つめつづける後藤さん(日村)、同じ部署の武田さんをセクハラから守るために部長を一本背負いで投げてしまった佐藤くん、ハット姿で力の抜けた良きお兄ちゃんというような村上さん、メガネをかけて少々面倒くさそうだけれど悪い人ではないんだろうなぁという早乙女さん。魅力的な複数のキャラクターがひとつの舞台で時間を作っていくその過程が素晴らしくて、コントの域を超えて、それはもう本当に世界を作っているのである。
「はあ〜素晴らしい!」と嘆息して、その流れで久しぶりに爆笑問題のコントも漁りました。太田光の“美しい少年”感、中島らも的な語り口と世界観が絶妙に心を鷲掴みにする。田中裕二のルックスも冴えていないように見えて、細部が洗練されている。その庶民的な佇まいがコントのバランスを保っていて、太田のSFへの憧れを支えている。
高級デリヘル120分ループする pic.twitter.com/m5Ei4KkT4X
— ダイアナ (@012_diana_) 2020年7月5日
SFといえば、この前Twitterでダイアナさんという人が投稿していた『高級デリヘル120分ループする』を発見した。時間が有限であることとその中で生きている私たち、その生のバトンをつなぐという事象をカタルシスをもって、そしてシンプルに描いてあってスッと心の隙間に入ってきました。線が細くてほとんど真っ白なのがいい。【モーニング月例賞2020年5月期】奨励賞受賞作 冬野梅子『普通の人でいいのに!』も読んだ。
サブカル的な女性の結ばれなさが俯瞰の視点で描かれていて、ひとりで飛行機に乗ろうとする、その距離を自分で作ろうとする姿勢がとても良くて、もしかしたらダメなところでもあるのだろうけれど、彼女に誰かの視線がぶつかってくれ!と願わずにはいられなかった。僕も同じ道を辿るのだろうかなんてことを考えてしまって少し萎えた。
第162回直木賞を受賞した川越宗一『熱源』という小説を今更になって読んだ。本当に面白い。
作者が描こうとしているのは、場所でも時間でも人種でも史実でもなくて人間だ。
という角田光代の選評がすべてなのだけれど、国家、国民、民族というネイションの問題に個人を見出して、ストーリーを成立させている。なにより凄まじいエンターテインメントなのがいいのだ。そして最も必要なのは教育だという結びに、森絵都『みかづき』を感じて再読したりした。
『君は放課後インソムニア』はもう4巻にして安定していて素晴らしい。『おおきく振りかぶって』は33巻まできたのかぁ、としみじみしました。それと、ブックオフで20%OFFセールをやっていたので、いろいろ買って読んだりした。大きいブックオフでラジオを聴きながら1日中うろうろしたい。たまにカゴに本を入れまくって爆買いしているおじさんとか見ると羨ましいなぁと思うが、狙いを定めてじっくり求めている本を探すというのが今の僕にはあっている気がする。あと、どうやらコジコジグッズが9月15日に発売されるようなので気になっています。
8月5日に滑り込んでみたグレタ・ガーウィグ『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』が傑作だった。本当に素晴らしすぎて泣いたし、ティモシー・シャラメが描く細い線に魅了されました。なにより彼が画に入るとその画の魅力がググッと跳ね上がるのが楽しすぎる。にしても全然映画館で観てないなぁ…。
結局、『ペイン・アンド・グローリー』も『はちどり』も観れないで終わってしまいそうだし、『ハニーボーイ』とか、イザベル・ユペールが出演している『ポルトガル、夏の終わり』も観れてないし、『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』もまだ観れてないよー。早く足を運ばなければ…。
NiziUからの影響と疲れ切った精神からか、K-POPばかり聴いている。スケールが違くてグッと心臓を持ち上げてくれるし、本当に心にポジティブなパワーを与えてくれる。藤井隆さんが「Feel Special が沁みるこの1ヶ月 Feel Special に何度も励まされて 人前に立たせてもらえてる」とツイートしていて、立場は全く違うのだけれど「あぁ、そうだよねぇ」となんだか思ってしまった。最近、ナヨンとモモのじゃれあいを見てからじゃないと寝れなくなってきています。このカバーもとても良くて隙間時間に毎日聴いている。
OKAMOTO'S、小山田壮平、羊文学、chelmicoなど素晴らしい音楽がこの世にドロップされて最高。OKAMOTO'S『Welcome My Friend』のMVは山田健人。渋く作っている。オカモトショウがボーカリストの階段ひとつ上がったような佇まいがカッコいい。羊文学がF.C.L.S.からメジャーデビューということにはビックリした。自分の音楽でやっていこうという気概のようなものを感じますね。Suchmosとの対バンとかあるのならば絶対に駆けつけたい。chelmicoのハイパーバーチャルライブは観ていて楽しすぎて、あんまりオンライン配信ライブには満足できないでいたのだけれど、このライブは超よかったです。無料だし、すごい。2人ともほんと元気ですよね。
OKAMOTO'S 『Welcome My Friend』MUSIC VIDEO
羊文学「砂漠のきみへ」Official Music Video
chelmicoは『おぎやはぎのメガネびいき』にも駆けつけていました。トンツカタン森本、アルコ&ピースも合流して賑やか放送。小木さんは無理せずゆっくりしてほしいし、矢作さんもちゃんと1人分の仕事をしてほしい。『かが屋の鶴の間』で加賀さんがしばらくおやすみすることも発表されましたが、賀屋さんが「会ってきたけど元気そうだった」と言っていたので安心ですね。みんなゆっくりゆっくり生きてほしい。ゆっくりゆっくり生きたい。
なんか一ヶ月のことをまとめて書こうとするのはしんどいかもしれん。