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「ニューヨークのニューラジオ」

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吉本所属のお笑い芸人ニューヨークがYouTubeで配信している「ニューヨークのニューラジオ」が面白い。

「ニューヨークのニューラジオ」の魅力は素晴らしい内輪のノリだ。中学、高校の教室の隅っこで、同級生とただ喋ってるだけのあの感じ。昨日観たテレビの話や好きな女優の話とか、何を話したのかはあんまり覚えていないのだけれど、確かに楽しかったあの時間。外からの介入を一切遮断したあの内輪。

ニューヨークは2016年にニッポン放送で「ニューヨークのオールナイトニッポン0(ZERO)*1」をやっていた。僕は最初、とりあえず聴いている程度だったが、第9回、さらば青春の光の森田さんが女子大生にお金を盗まれた回で完全に心を掴まれた。女子大生の有紗ちゃんと美雪ちゃん、犯罪心理学を勉強している岸、超新塾アイクが登場し、劇的な話に、屋敷のフリートークの巧さも相まって、最高に面白い回だった。

屋敷のフリートークで好きだったのは、大学受験の話。試験のためにとった旅館で緊張していると、お母さんが突然やってくるという微笑ましいエピソードも素敵だった。嶋佐のフリートークは短いものが多いのだけれど印象に残っているものがたくさんある。バイクで事故って、傷口をゴシゴシ洗う話やスリップノットとの衝撃エピソードなどなど、嶋佐のスケールを感じることができる。コーナーは、うんこ西野カナか!やノリタカさんのものなどふざけたものが乱立していたのも面白かった。ネクストブレイクと推されているが、なかなか売れず、学生時代も燻っていたと話すニューヨークがとても身近な存在として生活の一部に寄り添ってくれていた。屋敷は漫画とテラスハウス、嶋佐は格闘技と洋楽に興味があったりと、様々なカルチャーに触れることのきっかけにもなった。Weezerは嶋佐がオールナイトニッポン0で「Buddy Holly」をかけていたので、聴くようになったりした。

 

ニューヨークが「ニューヨークのニューラジオ」をYouTubeで始めると宣言したときは本当に嬉しかった。ニューヨークらしい偏見に満ちたオープニングトークで始まり、お互いのフリートーク、そしてコーナー。オールナイトニッポン0を踏襲したつくりになっていて、懐かしいあのときの内輪を取り戻した気分になった。居心地のいいあの空気。最近の心地の良いフリートークでは、#37の嶋佐の日常フリートークが良かった。

#43で、でっかいMDMA*2の中で暮らしているようなもんだ、という話では、めちゃくちゃ笑った。売れたいと叫ぶが、でっかいMDMAで暮らしてしまうというようなジレンマに苦しむニューヨークを応援したい。

現在、着実にチャンネル登録者数をを増やしてきて、ついに3万人を突破したという。さらには今年のM-1の準決勝にも進出し、決勝進出の期待がかかっている。なんと素晴らしいことか。

かつて内輪があったときの、あのときの、すばらしく、くだらない、どうでもよさを求めている人、内輪が無くて困っている人は「ニューヨークのニューラジオ」が救ってくれるので、ぜひ。

 

 

 

*1:朝井リョウ加藤千恵オールナイトニッポン0も担当していた奥田泰さんと関口勇斗(チェ・ひろし)さんがいた。ニューヨークのニューラジオも参加

*2:芸人らしい自堕落な生活をしてしまうこと